第15話 国元麻衣子
土曜日
日勤のあと群馬で研修会があるから、帰り遅くなるねと言って家を出た。
やましい気持ちはなかったけど、元カノと会うってゆうのは、やっぱり柚希には言いづらい……
新幹線に乗って長野へ行った。
改札を出ると、正面の壁に寄りかかってスマホをいじっている国元が目に入ってきた。
いや、何年ぶり?
22、3年ぶりか?
40過ぎてるとは思えないくらい。
お世辞とかじゃなく、高校生の頃と変わらなかった。
あの頃、国元は高校生ってよりOLさんって間違われるくらい大人びていた。
一緒にいても、年上のカノジョ?みたいな感じで言われたりした。
だから、今はその見た目が実年齢に追いついたって感じか。
俺が歩いて近づくと、はっと顔をあげて、パァーっと、明るい笑顔になった。
「わっ!!とおる君!!久しぶり~!!
キャ~~!!とおる君、変わらないね~!!」
「いや、国元の方こそ」
「お店、予約してるから行こ!!」
そう言うと、俺の腕に腕を絡ませてきた。
「はっ?なに?」
慌てて、腕を振り払った。
「えーーーー?いいじゃん!!
腕組むくらいさ~!!
奥さんいない時くらい~!!」
もう、この時点でヤバかったんだ。
ヤバい女だって気づいて引き返すべきだった。
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