第14話 高校3年生の俺 2

 国元とのつきあいは、うまくいっていると思っていた。

ちょうど クリスマスが間近に迫っていた。

彼女と過ごすクリスマスって、初めてだな。

クリスマスデートってゆうのを計画しなくちゃいけないか?

ってか、国元がなんかプランを考えてるかもしれないな。

とりあえず、どうするかを国元に聞いてみるか。



学校帰り、いつものマックで、国元に聞いた。


「麻衣子、クリスマスはどうする?

どこかに出かける?」


「クリスマス? あぁ、クリスマスか~。

とおる君、ごめんね! クリスマスは一緒に過ごせないや。

私たち、もう別れよ?」


わかれよ?

ん?

別れよう?って?


「とおる君ってさ、私が思ってた感じと全然違ったんだよね~。

初めて彼氏と過ごすクリスマスは、とおる君じゃないな~って思っちゃった」


これは、別れ話なのか?

明日の映画やっぱやめとこうよ?ってくらいの軽い感じ。

国元は終始 にこにこと笑ってる。

これが別れ話かよ?


「そっか。了解。

じゃ、俺 帰るわ」


なんてゆうか、なにも感じなかった。

あっ、そっ!!

ってくらい。

マジで、どうでもいい。

どっちにしろ、あと数ヶ月だと思っていた。

高校を卒業するまでのつきあいだと思っていたから。

こっちからフル前に、フラれたなら手間が省けたわ。



付き合おうって言われたから、付き合っただけ。

別れようって言われたから、別れただけ。

そこには、俺の意思も感情もなにもなかった。



そして、高校を卒業して以来 国元とは会っていない。

大学を卒業した年に同級会があったが、俺はその時 警察学校にいたから参加しなかった。

別に、どうしても会いたい同級生もいなかったし。

国元のことを思い出したこともなかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る