第48話 実家で挨拶②
「ちょ、湊どう言う事よ!?何でいきなり婚約者になってるのよ!」
「そうだよ!みっくん何でいきなりそんな事になっているの!?」
予想外の反応に困惑。「あら、そうなんだ」ぐらいの反応かなと予想していただけに驚く。
「ミナくん流石にその反応は薄すぎると思うよ?」
せーちゃんが俺の心を読んだ様にツッコむ。というか多分だけど本当に心を読めている可能性がある。眷属の効果なのか、俺もせーちゃんが考えている事が分かる時がある。だとしたら思春期男子としてある意味健全な欲求もバレバレでは?試しにせーちゃんでエッな妄想をしてみると
「…ミナくんのえっち」
せーちゃんが顔を赤くしてモジモジしている。あ、確定だわ。バレてましたわ。思わず空を仰ぐ。これから自家発電どうしよう…?好きな女の子に知られている状態でやれと?上級者過ぎない…?まだそこまでの高みには至れない。
「私がしてあげるよ?というか、私以外で興奮するのは浮気じゃないかな?ねぇミナくん?ねぇそうだよね?」
あ、ハイライトが無い。久しぶりのヤンなモードだ。
閑話休題。とりあえず、今は婚約者の事について話さなければならないようだ。しかし、どう話をしたものか。すると父さんがのんびりした雰囲気で答える。
「ん〜?昔約束しとったやんか。せーちゃんと結婚する〜って」
良く覚えてるな。俺もせーちゃんに再会するまでは忘れていたよ。
「いやいやいや!え、まさかアレで?」
「ソレじゃろ」
「えー、嘘ぉ…幼子の口約束じゃなかったの…?」
「二人にとっては大切な約束なんじゃろ」
「あー、まぁ、そう言われればそうね…」
「え、あ、えぇ…?」
父さんと母さんが話し合いをしている。姉さんはオロオロしている。
「立ち話もなんですからどうぞお入りください」
「では、お邪魔します」
父さんが家に入る様に提案する。ノヴァさんが頷き、一緒に家に入った。
◆◇◆
「という訳でミナトくんとセシリーは婚約する運びとなりました」
「なるほど〜、不思議な縁もあったものですな」
「幼い頃からずっとミナトくんを好きでして、ずっとミナトくんと結婚する!と決意してましてね、親としては応援したいなと思いまして」
「お父さん…!もう、恥ずかしいから止めてよ!」
「ハッハッハ。良いじゃないか」
「そうやなぁ若いってええなぁ」
和やかに会話する父とノヴァさん。ちなみに魔法や魔族の事は伏せておく予定だったのだが
「
「え」
「ん?セシリーさんの眷属になったんやろ?その魔力からして
「え」
話を聞くと父さんは昔祓魔師だったとの事。魔族に寛容な『風の枝』に所属していたらしく、魔族は良き友人と理解しているとの事。親交があった魔族達とは今でも飲み友達らしい。サラッととんでもない事実が突きつけられる。こんな偶然ある?
「まぁ、いきなり言われても信じられんわな。ならこれで信じれるか?『水蝶』」
父さんの手のひらから透明な蝶、水で出来た蝶が生まれ羽ばたく。どうやら本当に魔術師、祓魔師だったようだ。
「湊の得意な魔法は何や?」
「え、あ、水と闇かな」
「水は儂の血を引いたからやな。しかし闇か。原初にして終焉を司る力。キリスト教やったかな。世界は闇から始まったみたいなのって。光があるから闇がある、というよりは闇に光が当たって見えているのが、儂らがいる世界なんや。湊、世界の本質は闇なんやで」
「原初と終焉…世界の本質…闇魔法そんなに凄い物なんだ」
「せやで。よう頑張りや」
父さんは軽い口調で応援してくれた。ちなみに母さんと姉さんはと言うと
「」( ゚д゚)
「」( ゚д゚)
「あらら、母さんと瑞希の魂が抜けてもうた。まぁしゃあないわな」
話の途中から鳩が豆鉄砲を喰らったかのような表情で固まっていた。無量空処かな。気持ちは分かる。俺も同じ立場ならそうなっているだろう。
「まぁ、そのうち起きるやろ。それより湊、これからどうするんや?」
「え、とりあえずノヴァさんの結婚の条件をクリアする為に頑張るけど」
「そやなぁ。そんな湊に提案なんやが」
そこで父さんは一拍置いて
「祓魔師になる気はないか?」
そんな事を尋ねてきた。
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