第7話
シェフの指導が始まってから2週間が経った。
シェフは私に色々なことを教えてくれた。
シェフのおかげで、少しは自分の腕に自信を持ててきた、かもしれない。
「今日は新しいことを教えようと思う」
そう言って、新しいレシピを見せてくれた。
色鮮やかで綺麗…
「これは来週のスペシャルメニューだ」
「…スペシャルメニュー」
月に一度、一日限定でスペシャルメニューを提供している。
そのスペシャルメニューを食べに、沢山の人が列をなす。
この前なんて、3時間で売り切れた。
「これを莉乃に任せてみたいと思ってる」
私…!?
いや、まさか、
「い、今なんと、」
きっと私の聞き間違いだ。
「だから、莉乃に任せるって言ってんの」
スペシャルメニューを私が担当する…?
いや、いやいやいや。
この私に、まだそれほどの腕前は、、
「私に、ですか?正直、まだ自信がないです…」
シェフに鍛えてもらっているけど、他の人に比べればまだまだだ。
「大丈夫。この二週間、莉乃脳では見違えるほど上達してる。俺が保証する。そばにいるから、一緒にやってみよう」
深呼吸をして、気持ちを落ち着かせる。
こんなチャンスもう二度とないかもしれない。
「わかりました。頑張ります」
シェフが細かいアドバイスをしながら指導してくれた。
「火はもう少し弱く」
「はい、シェフ」
「いい感じだ。次はソースの仕上げ」
ソースを仕上げると、シェフがそれを味見する。
「うん、悪くない」
「ありがとうございます」
「でも、莉乃ならまだいける」
「はい」
まだ足りない、。
さらに集中力を高めた。
「最後は盛り付けだ。見た目も大事だから、丁寧に」
料理を盛り付け始めた。
シェフのアドバイスを思い出しながら、色合いやバランスに気を配った。
「どうでしょうか?」
完成した料理をシェフに見せた。
シェフはじっくりと料理を見つめ、満足そうにうなずいた。
「うん。これならお客様も喜んでくれるだろう」
良かった。
あとは、ソースが課題か。
「ありがとうございます。私、シェフの期待に答えられるように頑張ります」
そう言うと、シェフは優しく肩を叩いた。
「その意気だ」
私は深くお辞儀をし、心の中で決意を固めた。
その後、私はシェフの指導のもと、さらに練習を重ねた。
毎日、少しずつ自信をつけていく自分を感じながら、スペシャルメニューの完成度を高めていった。
シェフのアドバイスを受け入れ、改善点を見つけては修正し、より良い料理を目指して努力を続けた。
シェフが忙しい時間を割いて指導してくれたんだ。
恩を仇で返すわけにはいかない。
絶対に成功して見せる。
…そう思っていたのに。
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