第58話 『058 ドワーフ族の仲間』

『058 ドワーフ族の仲間』


「私はエルフ族のエル」


「エル? もしかしたら災害級のエルですか?」


「さすがエルです。有名人です。我らエルフ族でも一番の有名人」


「私の方がオガーナよりも有名なのがわかった」


「オーガ族が上だ。エルフ族など耳が長いだけだ」


「うるさい、オーガは筋肉バカだ」


 ここでも言い争いか。


「蜘蛛族って、あの蜘蛛族か! 伝説の種族だろ! なぜオーガやエルフと一緒にいるのか!」


「はい、ユウタの牧場で暮らしています。みんなユウタの命令で動いています」


「ユウタ。あなたが全員に指示を出している。よほどの実力者と見ます。これでドワーフ族は採掘を続けられます」


「どうぞ採掘を続けてください」


「ユウタは何者なんだ?」


「ユウタが全種族を従えている。恐ろしい」


「ユウタがいたから助かったぞ」


 ドワーフ族から感謝されるのはいいが、俺が最強の主人みたいになっているようです。


 皆さんが見ている光景では、否定はしないけど。


 魔族の軍を圧倒した種族が俺に従っているのだからな。


 誰が見ても俺が支配している風に見えただろう。


 これじゃ俺が魔王みたいだな。


 詳しく話を聞くと、ドワーフ族はこれまでもダンジョンで採掘をしていたらしい。


 しかしこのダンジョンに来て、急に魔族が襲いかかってきたから、数で苦しかったと。


 俺が見ていてもドワーフ族の強さはオガーナと比較しても決して負けていない感じだった。


 背は低いが、腕力はありそうだ。


 ドワーフ族と言えば異世界マンガでもお馴染みのキャラ。


 見るとドワーネを筆頭に女性が多いな。


 どちらかと言うと男性のイメージキャラだったのに、偶然なのか女性ばかり。


 ヒゲを生やしたオヤジで服は汚れているイメージ、背も低いイメージだった。


 でも俺の前にいるのは、ほとんどが女性なのはなぜかな。


 この世界ではドワーフ族はみんな女性なのかのところを、ドワーネに聞いてみたい。


「聞きたいけど、採掘するドワーフ族は女性が多いのかな?」


「はい、私の仲間には女性が多いです。ドワーフ族は各地にいて点在する種族です。鉱石があるところに移動する。しかしこの森はもっとも危険地帯です。世界でも最悪な危険地帯とされるから、男性のドワーフ族とは別れてしまった」


「えっと、最悪な森なのかここは?」


 とんでもない話になった。


 実は超危険な森だそうです。


 当たり前の話ですと言わんばかりに。


 まあ俺もその点は何となく感じてはいたが。


 この前も魔王バチはいるしな。


「そうですよ、最悪ですよ。普通は誰も来ない森です。冒険者も危険すぎてランクの高い冒険者じゃないと瞬殺です」


「マジか」


 瞬殺!


 そんなヤバい森なのか。


 じゃあ牧場に来た冒険者へ強い冒険者となるな。


「ただしこの森はレアな鉱石がある。他の場所にはない鉱石。だから私はこの森に来たわけだ。すると仲間が私と一緒に行くとなった。なぜか女だらけになった」


「それで女ばかりのドワーフ族か。変わった女だなドワーネは。私はそういうのは好きだぞ。常識にとらわれない生き方は好きだ」


「ありがとうオガーナ。私もユウタの牧場を見てみたい」


「ユウタの牧場はこのダンジョンから歩いて行ける」


「行きます、いいよねユウタ?」


「いいけど」


 えっ、牧場に来るの?


 俺は嬉しい。


 見るだけなら問題ない。


 ただ見るだけじゃなくて、住むとなると女性の種族が増えることになる。


 オーガ族、エルフ族、蜘蛛族に続けて増加になるな。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る