第30話 『030 キノコの魔物』

『030 キノコの魔物』


 少し休憩してシロが声を出した。


「どうしたシロ?」


 森の方に向かって鳴いていることから、森に何かあると俺に教えてくれている。


「ユウタ、シロは森に向かっていく。私も追っていく」


「俺も行くよ!」


 オガーナとシロを追いかける。


 シロが停止した。


 その先には魔物か?


「シロ、なにこれ、キノコか?」


 にゃ~!


 シロは俺にこのキノコの魔物を伝えたかったらしい。


 何匹もいる。


 ただのキノコではない。


 手足があり、顔もあるから魔物だな。


「なぜ、シロが警戒したのかな。強いのかい、オガーナ?」


「いいえ強くはない。ただキノコの魔物の攻撃は毒や痺れといった状態異常になることがある。キノコだと思って甘くみると、冒険者パーティーが全滅することは良くある」


「シロは知らせてくれたのか。ありがとうシロ」


 にゃ~。


 さてどうするかだな。


 オガーナからは危険さもあると聞いたので、うかつには接近すると危険もあるな。


「ナメタケンですね。エルフ族の村にもいました。こちらが攻撃しなければ攻撃してこないです」


「エルは知っているのだな。安心した」


「しかも食べると凄く味が出るキノコです」


「食べられるのか。それなら牧場に連れていくか。ドライフードを出そう、ほれ、食べろ」


 エルフ族エルから食べられるとの情報を得た。


 日本でもキノコは食べる。


 名前はナメタケンというらしく、ナメタケに似た姿であった。


 ドライフードンあげると、口で食べた。


 攻撃的な性格ではないらしい。


 俺のペットフードを食べると、集まってきた。


「ペットフードを食べたから、俺の命令に従うと思う。牧場に連れて帰るよ」


「キノコはオガーナは食べないだろ。肉しか食べないからな」


「食べるさ。キノコは大好物だ」


「でもキャベツは食べなかったよね」


「野菜はね。苦い」


「キノコは別なのか。オーガ族はわがままだな」


「ふふ、食通と言え」


「なにが食通だよ、ただの食いしん坊です。ユウタ、オガーナにはキノコは与えないで、全部食べるよ」


「わかった」


「ユウタ! 私にもナメタケンを!」


 森からナメタケンを連れて帰る。


 シロの危機察知の能力が働いていたので、これからもシロにへお世話になる。


 シロにはお礼のドライフードとジャーキーも与える。


 にゃ~。


 ナメタケンが数匹来たので、新たに牧場を整備しないといけないか。


 追加でイノシシとマンゴーランドの横に牧場を作る。


 囲いの柵を作りらそこへナメタケンを入れた。


 増やせばいっぱい食べられるだろうから、楽しみになった。


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