トイレのカマドさん

プロローグ

「ねぇ、『トイレのカマドさん』って、知ってる?」


「『花子』やろ、それ」


「ちゃうねん、『カマド』やで」


「知らんわぁ。なにそれ?鬼滅??」


 必ず、クラスに一人は居る「オカルティズム」な子。私は、古い物からは

『妖怪人間』や『どろろ』『墓場鬼太郎』など

 そして

『幽遊白書』や『うしおととら』『もののけ姫』など


 心霊や妖怪、怖い話が大好きでしたので、その子とも大の仲良しでした。


 私は見たり聞いたりが専門で、勿論、お互いに聞いた最新の話をし合っては、ある種競ってもいたのですが、その子「よっちゃん」は何処から仕入れてきているのか、はたまた、今を思えば創作だったかもしれませんが、よく私の全然知らない怪談を持ってきては放課後、誰も居なくなった教室や誰も来ない図工室や理科室の前の廊下などで、まるでお互いの自慢話をするかのように語り合っていたのです。


 私は主にTVやレンタルした、云わば「在り物」の話しか出来ませんでした。『世にも奇妙な・・・』や、深夜の超有名怪談師さんの番組で聞いた話。そして本で読んだ生物や宇宙、海の話。例えば『バミューダ・トライアングル』や『マレーシア航空370便』、『エリア51』『寄生虫』などの話を紹介していく、みたいなスタンスです。


 しかし、よっちゃんはもっと身近な「土着」や「伝承」「物の怪」の話をしていて、お互いがホラーマニア、オカルティックでしたがその中でもジャンルが違うと言いますか、私は「現象」に、よっちゃんは「存在」に興味を持つという違いがまた、同属嫌悪にもならずに丁度良かったんだなぁと、今でもしみじみ思います。


 後にミステリー好きの人怖系「やっすん」とも仲良くなりますが、それはまた、別のお話。


 その、よっちゃんが話す「トイレのカマドさん」とは・・・・・・


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