八月の終わりに感じるノスタルジックな物悲しさがよく似合う物語

彼女の夏と夏祭りは、ある意味ずっと終わらずに続いていたんだろうな、と。
わたしたちは祭りと祝日が終われば日常に戻り、夏が終われば次の季節に赴く。

だけど彼女は、特別な約束の楔が打ち込まれたいそこへいつでも戻っていくことができた。

なにかが離れるような、置いてきぼりを食らったような夏の終わりの物悲しさを、彼女だけは感じずにいられたんじゃないかと、そんな風に感じた物語でした。

それにしても、自ら望む恋模様を描くためとはいえ、呼ばずにいられたのは凄いなあ。
わたしは、楽しみにしていたアイスを食べられただけで絶望するので、何十回迎えに来てもらっても足りない……誰も迎えに来ないけどっっ。

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