貞操逆転系で欲しいものが全てあった
- ★★★ Excellent!!!
キリの良い所まで読み切る度に「あ、素晴らしい」とつぶやきが漏れました。
ちょいシモな日常と、モテる主人公。
貞操逆転系を読み始めるのは大体この2つが目的だと思います。
逆を言えば、主人公がどのようにしてモテるのか、ヒロインたちの心情はどんなもんか、貞操逆転系で最も目につくのはそのくらいしかありません。
だから、何話か読み進めていくとずっと主人公が幸せだという話しかしないのでダレるし、必然的にテンプレートが無くなります。
僕はだいたいそこで詰まらなくなって読むのを辞めます。
しかし、貞操逆転っていい部分だけじゃなくてしんどい部分も多々あると思うんですね。
貞操逆転とはつまり女子がガツガツするようになって、男子が楚々とするようになることです。
そうすると普段バカやれる男友達なんて出来るわけ無いし、かといってガツガツしている男子然とした女子に話しかけに行こうにも、そこでは性差による恋愛感情がどこかで湧き出してしまい、友情なんて育める可能性は極端に低いです。
貞操逆転とは目先の利点でいえば女子にモテる理想郷ですが、逆に言えば女子にモテるしかない孤独な世界です。
あと、主人公も作中で言っているのですが、その世界には元あった友人は一人もいません。なぜなら性格から変えられているのですから。
観念が変わるとはつまり人格から変わります。
絶望ですよね。主人公も絶望します。
それでも主人公は強く生きて、貞操観念の世界を享受して、良い思いをしつつもどこか自嘲気味に日々を過ごしていきます。
読む価値しかない、というより読むと止まれなくなります。
やはり作者さんに書きたいものが明確にある作品には惹かれずにいられないのだなと思いました。