第3話 理想人理編纂者

 俺の祝銘ギフト『理想人理編纂者』はその実いくつかの能力に分かれている。

 勿論ではあるがどいつもこいつも普通にチートだったりするのだが。


 まぁざっくりと掻い摘んで話すと、状態になってしまうというものだ。

 本来なら何十年、下手したら何百年何千年かけて極めることを推奨されるスキルや祝銘ですらも、俺が手にした瞬間に強制的にレベルカンスト状態に置き換わってしまうという事さ。


 ……そして問題なのが、この根幹にある祝銘に巻きついてるいくつかのバカ野郎チート能力何だよなぁ。

 そう、『理想人理編纂者』は『理想人』と『理編纂者』に別れるというね?

 いやそこで分けるか?普通。ってのは置いておいて────。


 *


『理想人(EX)』……読み方は、。その能力は完璧で究極の人間である事を約束するもの。

 身体能力、精神力、それからありとあらゆるステータスが強制的に『完璧で究極』=即ち最終到達地点ラストステージの状態に成ってしまう。


 言い換えるなら、どれだけ頑張ろうが一切成長出来ないし変わらないという事である。何故なら既に俺は最後カンストまで到達してしまっているのだから。───ラスボスだなこれ。


 そしてもう一つ。

『理編纂者(EX)』……これは正しくは『理の編纂者』となる。

 読んで字のごとく、ことわりの編纂者(編集者)としての機能を有するというもの。

 端的に言い換えるならば───、


『ルール無視&ルール改変』

 自分の好きに世界の秩序を書き換えて、操る。

 あまりにも無法過ぎる能力だと思う。本当に誰がこんなふざけた能力を考えたんだか……。


 あと余談だけど、この『編纂者(EX)』の権能も一応あって、相手のスキルやギフトといったステータスや……相手の等を予め見ることが出来て、そのうえで相手のスキルやらギフトやら何やらを出来る。───ラスボスかな?


 総括すると、勝手にレベルカンストになり、なんならゲームシステムすら自由に操れて選択肢すら未来予測出来るチート野郎。


 それ楽しいか?という話である。


 *


 ぅぅむ……この中で話せるとしたら……編纂者?のとこぐらいか?

 いやこれも大概チートなんよなぁ……。

 しかも何がマズイってさ…………これら全てランクがEX規格外ってことなんですよねぇ。


 *


 この世界の祝銘及びスキル等には必ずランクが付随するのだ。

 下から『 E・D・C・B・A・S……EX』


 上に行くほどが上昇し、それに伴いも上がっていく。


 あぁ、ちなみに下のランクだから弱いとか、上のランクだから将来安泰とかは無いぞ?むしろ逆だ。

 からね。

 そりゃ考えてもみて欲しい。

 ───狭いダンジョンの中、パーティメンバーが集まって戦っている中で……味方を巻き込む、どころかダンジョンを破壊してしまうバカ火力の奴を誰がチームに入れるのかって話だよね。


 むしろパーティで戦うならランクが低い方が良いんだよなぁ。

 まぁそしてEXってのは本当に規格外なんですよ。

 具体的に言うなら、そこまでのランク帯は規模とか出力で競い合って居たにも関わらず、EXになった瞬間に切り替わってしまうからな。そもそも比べるまでもないと言うか、相手にならないんだよ。


 *


「全くだという話だよ。しかし本当に参ったぞ?このままでは俺はラスボスルート一直線な気がしなくもないんだが?」

「しかも俺、知ってるんだよなぁ」


 そう、知っているのだ。


「この世界にが存在しないとかさ。ふざけてるよねマジで」


 そう。もし仮に自分がチート過ぎたとしても、自分と張り合える存在が居るのであれば問題は無かったんだよ俺はな。

 だがなぁ……居ねぇんだ。悲しい事に俺に勝てるどころか足元にすら誰一人として立つことがままならないとはなぁ。


 あまりにも弱いし脆い。多分この世界ほっておいても勝手に滅ぶぞ?

 それぐらいにこの世界は切羽詰まっていて、そして何より終わっていた。


「うううむ……どうしたものだろうか……」


 *


 アルフォンスが悩んでいるのは、この世界が終わっている事について───では無い。

 そう、彼は……。


「ほんとにどうするか。これじゃあ退?ったくこの世界でなら俺の夢も叶えられると思ったのに───これじゃあつまらなすぎるとしか言いようがないね」


 そう、彼はの事しか考えていない。

 事実この世界の事など彼は本気でどうでも良いと考えているようであった。

 そうこうしているうちに、彼はひとつのアイディアを閃くのである。


 *


「!そうだ……育てればいいんだ。!!」


 そうだよ、そうじゃん。

 の俺が育て上げる人間は多分きっと、俺好みの……いや俺と張り合えるぐらいの存在になるに決まっている!!

 ───おいおい、それは絶対楽しそうとしか言いようが無いぞ!?


 そう言って俺は天を見上げて笑みを零した。

 その瞳はひょっとしたら、狂気にまみれていたのかもしれない。


 *


 アルフォンスは、エゴイストである。そして人間にあまり期待をしない人間でもあった。

 故に彼はこの時点ではそこまで期待などしてはいない。

 だが────彼は最終的に教え子たちに敗れて、敗北を喫する事となる。


 その時のことを、彼は見えてなどいなかったのかもしれない。


『編纂者』は未来を見通す。だが、それはだけは見通せないというでもあったのだ。


 *


 真面目な話をするならば、俺は教室を作るべきだろうな。

 育てるのだから、自分は先生であるべきだ。教師として人を育てて、そして育てきった時に刈り取る。


 完璧だな!

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ド畜生転生者の『パーフェクト』英雄教室〜チート教師(ラスボス)はチート能力持ち生徒だろうが容赦しません! 鍋式うどん @Cataman

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