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  • 思春期に『龍炎使いの牙』『リアルバウトハイスクール』を読み、それから40の今に至るまで、定期的に読み返してきました。正直なところ、『リアルバウトハイスクールXX』は慣れない一人称、これまでの作品とはかけ離れた軽薄な主人公で、少し見損なっていました。
    昨日、『龍炎使いの牙』を改めて読み返し、新作は出していないのだろうか、と検索し、本作にたどり着きました。企画会議用のサンプルなのか、三話以降はあらすじ状態なのが残念ですが、作品自体はすばらしいと感じました。一、二話のクオリティで三話以降が書き進められることを期待しております。単行本化することを願っております。
    『龍炎使いの牙』『リアルバウトハイスクール』は隆慶一郎の影響が強い作品となっていましたが、本作は金庸の影響も強く感じます。無垢な主人公が鍛錬の末に尋常でない力を身に着け、その力で人々を助け、無自覚に女の子を落としていく、という金庸のスタイルはライトノベルの傾向にばっちりとハマっていると思います。
    ただ、『龍炎使いの牙』は隆慶一郎の作風にファンタジーの設定をはめ、粗野だが優しいところもある主人公が悪を倒す、という少年マンガのようにわかりやすいストーリーもあり、傑作に仕上がったと思いますし。『リアルバウトハイスクール』は隆慶一郎の骨太な時代小説の上に、能力としては完成された南雲と、成長過程にある草薙のダブル主人公、異世界ものと現代ものを掛け合わせた世界観など、当時は突飛だった設定がうまくハマった形でもありました。
    本作は金庸的な武侠の世界観の再現度は非常に高いものの、オリジナリティの部分ではいささか見劣りするようにも感じます。作品の用語からすると、はるか未来の『龍炎使いの牙』のソルバニア世界であることがうかがえるため、異世界ファンタジーで武侠をやりたいのだ、ということはわかるのですが。我々からすると武侠の世界観が既にファンタジーであるため、そこが異世界であったとしても意外感がないのだと思われます。
    本作は既に武侠小説としては既に十分なクオリティであり、喜んで単行本を購入したいと思っていますが。もう一つ何らかの要素が加わると、『リアルバウトハイスクール』のように長く連載が続くような作品になってくれるのではないか、と感じました。

    作者からの返信

    すごい熱量の応援コメント、本当にありがとうございます!
    いやもう……かなりマジで感激しております。
    基本的に何を書いても大した反応をもらえないマンとして生きてきたので、いきなり高密度のリアクションをもらった嬉しさで正直アタフタしてしまいました。
    ご推察の通り本作は『金庸(&古龍)の武侠小説の面白さを自分なりに解析・再構築してファンタジーラノベとして出力する』というコンセプトで企画したものです。
    武侠小説風ラノベという枠に収めることを第一にしたため『龍炎使い』や『リアルバウト』と比べてひと味足りない……意外性というか、ジャンルに収まらない飛躍というか、異質なものの組み合わせというか……雑賀礼史の書く話にしては普通すぎてハジケていない……そういうことですよね?
    その問題については以前から悩み続けていて、本作をどう料理するのが正解なのか、いまだに答えは出せていません。
    結局のところ「ワケありやさぐれ厄介お姉さんと正統派純真少年主人公(スパダリ)のショタおね」という骨子の部分をしっかり書いていくしかないのでは……?というのが今の考えです。
    自分は「雑賀礼史の新作を心待ちにしている読者が世界に5人くらいいるはずなのでその5人に向けて書く」という方針でやっているので、あらすじではなくちゃんとした小説として続きを書けというリクエストには喜んで応じます。応援をいただいてモリモリ元気が湧いてきました。
    時間的体力的な問題もあってすぐにとはいきませんが、なんとか年内には更新を再開して続きを書いていきたいと思います。ご期待ください。
    余談ですがpixivの方にリハビリがてらに書いたバカみたいな二次創作小説を置いてあるので、お暇な時にでもご笑覧ください。