第74話 終戦。
結友とヴィカミオがおとりになるとヤマタドナと藍那フレアが合体をして黒天狐に殴りかかる。
「ハッ!」「ヤァ!」
「…」
互いに能力は通じてないようで殴り合いに発展する。
しかし黒天狐が一つ抜けており、徐々に防御することが増えていく。
「「くそ、合体しても及ばないのかよ!」」
「…」
「「しかも何も言葉を発しない、気持ち悪いぜ。」」
「…」
「「こうなったらすべての魔力をブーストして…。」」
「それやったら死ぬで姉さんら!」
ヴィカミオが止めに入るが気にしない。
「「迷っている暇はない、やらなきゃどの道、死ぬだけだ。」」
「し、しかし…。」
「「天狐には悪いと言っておいてくれ。それに私はエルフと龍だ。どこかで生き返る。」
「…わかったわ。」
「藍那フレア、悪いな。」「仕方ないことね、やるならさっさとやりましょう。」
「「行くぞ、リミットブースト!」」
その瞬間体が赤くなるがすぐに何もないように見えてしまう。
「「な、何があって…。うわ!」」
突如返信が解けてしまう、そこを狙ったように黒天狐の拳が二人を貫く。
「ガハッ。」「オエッ。」
「姉さん!」「藍那フレア!」
二人は地面に叩きつけられ意識を失う。
「これはまずいね。」「はっきり言って終わりや。」
その瞬間、二人は心臓を貫かれた。
「おい、嘘だろ。」
サンドレスは驚愕していた、あのヤマタドナと藍那フレアが何もできずに負けたことに。倒れているオレロやエリザには意識もなく死亡している。他にも屋敷内で取り残されている人もいる。幸い、娘とサクヒノラ様は逃げ出せたみたいだが…。
「これが、死ぬときなんだな。案外死ぬときはあっけないものだな。」
そうぽつりとつぶやくとサンドレスの目の前は真っ暗になった。
―「はぁはぁはぁはぁ。」
サクヒノラを抱えてア-スランドは逃げている。
「アースランド様…。」
「もうちょっとで逃げられると思うから我慢してね、サクヒノラ。」
「はい…。兄様は無事なんでしょうか。」
「きっと無事だよ!絶対に私たちを助けてくれるから!」
「そうですね、信じましょう。」
突如天狐の影が見えたのか、アースランドが立ち止まる。
「天狐ちゃん?」
その言葉に呼応したのか黒天狐が出てくる。
「天狐ちゃんじゃない、ね…。誰なの…?」
「…」
「無視かな。逃げるよ!サクヒノラ!」
再びサクヒノラを抱えて逃げようとするが黒天狐の魔法を受けてしまう。
「あっ…。」
「アースランド様!足が!」
アースランドが自分の足を見ると膝から先がなく、血が大量に噴き出している。
「サク、ヒノラ、逃げて。」
「逃げません!私もここで一緒に…。」
「…」
再び黒天狐が魔法を放ち、サクヒノラの体を貫く。
「サクヒノラ!サクヒノラ!」
「すみ、まえん。あーsらんドさぁ。」
倒れるサクヒノラを抱き寄せて祈りをささげる。
―ごめんね、天狐ちゃん。私ここまでみたい。
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