第73話 終わりの始まり。

ヤマタドナは考える。


天狐とヴィカミオがいなくても私と藍那フレアが合体すれば何とかなると、しかし時間稼ぎが足りない。ヴィカミオが一瞬でやられたからだ。合体には2分と時間がかかる。


どうするか…。そう考えているときに結友が提案をする。


「僕がおとりになるから二人はさっきの合体をして。」


「…天狐の先生とか言ったな?できるか?二分間。」


「…やるしかないでしょ。さあ早く!」

結友は黒天狐に向かっていき、時間稼ぎをする。


「おい!藍那フレア!私と合体しろ!」


「仕方ないの、やるか。」


ヤマタドナは詠唱をして合体する準備をする。

しかし結友が心臓を貫かれ、ヤマタドナに向かって投げつける。


「ガハッ!」「おい!」


これには藍那フレアもまずいと思い、黒天狐に攻撃を仕掛ける。


「いくぞ、植物創造。」

地面から木や植物が作られ黒天狐に向かって突撃する。


しかし黒天狐は黒死壊形をだして消滅させる。

他にも魔法を放つがことごとく吸収される。


「まずいな、何も通じないのか。」

藍那フレアまでもどうすることができないと悟っていた。


ー「くそ!出せ!」

天狐は閉じ込められた空間から脱出しようとするがうまくいかない。まるで天星眼の能力を封じられているように。


あがいても魔法を撃ってもびくともしない。皆が戦っているのになんで…。

考えても仕方ない。今は出ることだけに集中しよう。



「くそっ。おい、起きろ!」


そのころヤマタドナは結友を治療してたたき起こす。


「ああ、ごめん。まさかあんなにあっさりやられそうになるなんて。何も効かないし、手立てがないよ。」


「ちっ。一か八か総攻撃するか。」


「それしか手はあらへんな。」


「ヴィカミオ、生きていたのか。」


「あと少しで死んでたわ、全く。」


「まさかこんなこと誰が想像したのかねぇ。」


「藍那フレア、奴はどうしている?」


「あそこでこちらを見てるだけ、困ったもんだね。」


「舐めてるのか、何を考えているのか…。」


「さあ、とりあえずあいつは殺さないとだめだよ。」


「全くや!早く倒して天狐さんを解放させな!」


「そうだな、また合体の用意をするから二人は足止めを頼む。」


「わかったで、姉さん。俺が死んだら墓たてといてくれ。」


「仕方ないな、ペンギンでも添えてやろう。」


「いや、いらんわ!」


ヤマタドナが再び合体魔法の詠唱を始めて準備をするが黒天狐が時空間移動で姿を消す。


「な!逃げやがった!どこに行った!」


「…この方向、ヒィスト王国のステリオスだよ。」


「…!」

ヤマタドナは人化を解除して龍の姿に戻る。そのままヒィスト王国に向かってい直線に飛ぼうとする。。


「待って!僕の空間異動で行くよ!皆つかまって!」


「…わかった。」


「転移!」


その瞬間、皆はステリオスに移動した。


再びステリオスに戻ると、そこには破壊された屋敷があった。

オレロやエリザが倒れていて、ひどい状況だ。

サンドレスが黒天狐と戦っていて手も足も出ない状況でボロボロだ。


「代われサンドレス。ここからは私たちの出番だ。」

治癒魔法をかけ、サンドレスに声をかける。


「代われサンドレス、ここからは私たちの出番だ。」


「そうか、後は頼む。」

そういうとサンドレスは倒れている皆のもとへ向かった。


「やってくれたなくそ野郎。お前は私が必ず殺す。」


「…」


こうして第二ラウンドが始まった。





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