第72話 エルフの里で。

次の日になると天狐とサクヒノラは迎えに来てくれたエルフの人の魔力を探知してエルフの里へ向かった。


「じゃあ待ってるね!天狐ちゃん!」

アースランドさんにも見送ってもらったしすぐに帰られるのであまり寂しくはない。


エルフの里はとても美しく、緑にあふれた場所で皆も歓迎してくれた。


「ようこそ、我が里へ。」


赤い髪をしたエルフ、藍那フレアが直々に挨拶をしてくれた。

とてもきれいでエルフは年を取らないんだと思った。


「この度はありがとうございます、藍那フレア様。」

サクヒノラも挨拶をしてそれにつられて僕も挨拶をする。


「あ、ありがとうございます。」


「よいよい、気にするな。せっかくの観光だ。楽しんでいくといい。」


「では、案内しますのでこちらに。」

こうして二人はエルフに案内してもらい、隅々まで楽しんだ。


草冠を作りあったり温泉に入って長湯したり。とてもステリオスでは味わえない雰囲気だった。


夜は豪華な食事を味わい、布団に入ってらイチャイチャしたりした。


数日間、エルフの人たちとも遊んで交流を深めた。もちろんお金は払っているので安して。怪しいお店丘じゃないよ。


「楽しかったですね、兄様。」


「そうだね、また明日も楽しもう。」


「はい、明日はどこに行きましょうか。」


「今度はマーメイド見てみたいかな、海もきれいだって聞くし。」


「でしたら水着を買いに行かないといけないので選んでくださいね。」


「うん、ちゃんと選ぶよ。」


「ふふ、ありがとうございます。」


「じゃあもう寝ようか、お休み。」


「おやすみなさい。」


布団に入って数十分後。突然、爆発音が聞こえた。


「な、なに!?」


天狐は布団から飛び起きてサクヒノラの近くに行く。


「サクヒノラ大丈夫!?」


「はい、大丈夫です。」


何があったか把握できないけど、この魔力。なんだ、知っている。


「…ここは危険だからステリオスに移動しよう。」


「わかりましたが、エルフの皆さんは?」


「時空間移動はすぐにできるから先に行ってて。」


座標をアースランドさんに設定して黒い空間を出す。

そこにサクヒノラを入れてステリオスに戻す。


「わぁ!サクヒノラ!?びっくりした!」

アースランドさんが飛び起きろ、状況は把握していない。


「アースランドさん!ヤマタドナいる!?」


「天狐ちゃん!?待っててすぐに呼んでくる!」


しばらくするとヤマタドナが来て天狐に声をかける。

「何かやばい魔力を感じたな、なんだこれは。」


二人は外に出て状況を把握する。

そこには藍那フレア、ヴィカミオ、結友まで居たが膝をついている。


「なんでみんながいるの!?それに先生?」


「天狐さんか?なんややばい魔力を感じてきたんや。そしたらこのざまや。」


「久しぶり、天狐。僕もたまたまエルフの里に観光に来てたんだよ。そしたらさ、いきなり巻き込まれちゃって。」


「なんでこの世界に居るの?」


「勇者召喚で呼ばれただけさ、気にしないでくれ。」


「そうだったんだ。」


「うん。だけどあれ見て、天狐にそっくりでしょ。何か知っている?」


目を敵に向けるとそこには黒い天狐がいた。おそらく黒文様が全身を覆って意識がないと分析をするがそもそも天狐は一人しかいない…。あれはなんだ?


「あれはなんなんだ、僕もわからない。ただわかることは誰も勝てない気がする。」


「私と合体してもか?」

ヤマタドナが可能性を聞いてくる。


「それなら行けるかもしれないけどぉっ!。」


その瞬間天狐が吹き飛ばされ、黒い何かに閉じ込められる。


「ガハッ!」


ヤマタドナが驚く間もなく、そこには倒れているヴィカミオもいた。


「これはまずい、何とかしなければ…。」


ヤマタドナは冷や汗を出しながら、頭を回転させ始めた。





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