第69話 お魚パーティー!
屋敷に戻り、キッチンに行くとエリザさんとマヤさんがいたのでお魚を渡す。
「エリザさん、マヤさん、お魚採ってきました。」
「ありがとう。わぁ!この魚ってかなりいい物だよね?エリザさん。」
「ええ、そうね。かなり値段がするものじゃないかしら。」
「確か2500万の値が付くくらいの物でしたよ。」
「いや、凄すぎない!?」
「意外と簡単に取れたのでまた採ってこようかなと。」
「…うんうん、また採ってきて!」
「にしてもあなたが下処理したの?かなり綺麗に捌かれてあるけど。」
「無理なのでお店の人に任せました。」
「偉いわ天狐、丸々持ってこられてもめんどくさかったもの。」
今褒められたの?
「エリザさん!早く捌いて皆に食べさせましょうよ!」
「そうね。天狐、30分後に皆を呼んできてちょうだいね。ありがとう。」
「わかりました。」
天狐は皆に声をかけて30分後、食堂に集めた。
食堂に集まった皆は楽しそうに食事をしていた。
「うぉぉおおおお!天狐サンキューな!」
「天狐、これはとてもじゃないが美味しすぎる。ありがとう。」
アスカニオは味を気にせず食っているように見えるが気にしない。
オレロはいつも通り?いや、なんか顔が気持ち悪い。
天狐も食べ始め、この魚に感動していた。
それにしてもこの魚はすごい。
脂の乗りがすごいしめちゃくちゃ美味しい、さすが大トロと言われる部分。
それと衣をつけて揚げた物も最高、中身が半生でソースともよくあう。他にもアボカドと和えたサラダ、ユッケ、おすし。
何でもあうな、この魚。さすが2500万。
「天狐ちゃんありがとね!」
「あぁ、とても美味い。」
「本当に美味しいですね、これは王都でも滅多に食べられませんよ。」
アースランド、ヤマタドナ、サクヒノラも満足そうに食べている。
「まぁ、この魚は2500万くらい値が付いたものですから。」
「!それは本当に凄いです。天狐様、お魚ありがとうございます。」
「サクヒノラさんが喜んで貰えたならよかったです。」
「ふふ、ありがとうございます。お兄さん。」
「いや、その呼び方はやめてくださいよ。ご兄弟いますよね?」
「ふふ、私は結構好きですよ?それと私に敬語は不要ですよ、夫婦ですので。」
「えぇ、いやでも。」
「そもそも私の方が年下ですよ?そんな気遣いしなくても大丈夫ですよ。」
「うーん、わかり…。わかったよ、サクヒノラ。」
「ならこれからその呼び方でお願いしますね、兄様。」
「その呼び方は変えないの!?」
「別に変える必要はないかと。」
「そ、そう?」
「天狐、もっとないのか?足りないぞ。」
ヤマタドナが空気を無視して声をかけてくる。
「え、冷蔵庫にないの?」
「もうないぞ、私だけで100キロは食べたからな。」
「早くない!?僕の分は残してあるんだよね!?いつもそんなに食べないじゃん!」
「たまには食わんと人生面白くないだろう。それに私は龍だからこれくらい食べるぞ、本来の体格は大きいだろ?」
「そう言われるとそうかも?」
「足りないのなら仕方ない、我慢するか。」
「うん、我慢して。また採ってくるから。」
「そうか、それならいい。ちなみに天狐の夜食はないぞ、私が食べてしまった。」
「え、まじかよ。」
「マジだ、それと稼げはしたのか?エルフの里に行けるくらいは。」
「話題変えやがった。えっとねー、今2000万は溜まったかな?」
「そうか、それなら世界中回ってもお釣りがくるな。」
「それなら楽しみだね!」
「天狐ちゃん稼ぐのはいいけど来年の税金凄いよ?」
「ぜい、きん?そ、それはなんですか?」
アースランドがこの世界の税について解説してくれる。
「1年の所得に応じて来年課税されるぶんが決まるの。天狐ちゃん今年と同じ額稼がないと来年から大変だよ?」
「え、でも魚採るだけなら大した労力かからないのでまた採ってきますよ。」
「漁業権があるから今日の魚は勝手にとっちゃダメだよ?ちゃんと漁師さんにお願いしなきゃね。」
「…意外とめんどくさいんですね。この世界。」
「前の世界ではどうしてたの?」
「税とは無縁な生活送ってたので、よく知らないです。」
「そっか、2000万なら来年全部で400万は取られるから残しておいてね?」
「…はい、わかりました。」
少し使えるお金が減ったことにしょんぼりした。
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