第68話 いざ海へ!

早朝3時。天狐はあま港に着き、ウミボルとその仲間たちと船を出す準備をしている。


天候は万全でウミボルは機器の準備と通信設備が動くかを確認していた。もちろん救命胴衣や消火器の安全設備の有無の確認も怠らず。

仲間も網や道具、食料を確認して準備満タンだ。


天狐は魔力探知で危険な生き物は居ないかを調べている。沖合にでかい魚が沢山いることを感知した。どうやら危険な生き物はいなさそうだ。


今回の漁は数日かけて行うものでアースランド達には事前に説明していた。


皆にも大きい魚を釣ることは言ってるので期待して欲しいと思っている。


ウミボルが馬鹿でかい声を出して激を入れる。


「よし、準備出来たかお前らー!」


「「「「おぉー!」」」」


「今日は天狐様もいる、気合い入れていくぞー!」


「「「「おぉー!」」」」


こうして天狐と野郎達は海に出た。世はまさに大航海時代の始まりかもしれない。


船を走らせ3時間後 、天狐が感知した場所に到着した。探知機にも反応がありこれは当たりかもしれない。


ウミボル達は早速釣り竿を取り出すと餌をつけ

海に投げ入れる。暫くすると餌にかかりリールを巻く。


「うぉぉおおおお!これはヤバイぞ!お前ら手伝え!」


「「「「おう!」」」」


2人はウミボルに手伝い、天狐ともう1人は網を用意する。

見事に釣り上げあみの中に入る。


釣れたのは2メートル級、重量は300キロの高級魚。これだけで2000万は超えるという。


「「「「「よっしゃぁ!!!!!大金ゲットだぜ!!!」」」」」


皆は大はしゃぎで肩を組んで喜んでいる。1人は踊ってめちゃくちゃだ。だがウミボルはここで声を掛けモチベーションを上げていく。


「まだまだ釣るぞお前ら!」


「「「「おっしゃー!」」」」


しかし、釣れたのは1匹だけで魚たちは逃げて行った。


「魚の群れがいなくなったか。天狐様、どこにいるかわかるか?」


「ここからかなり遠くに移動したみたいだね。船の移動だけでかなり時間がかかるから別の魚狙ってみたら?僕はその間にでかいの採ってくるよ。」


「採ってくる?」「え、浮いてるんだけど。」


別の仲間達が反応するが天狐は空中に浮き、魚をロックオンする。


「じゃあ採ってくるから他にいい魚釣っててね!屋敷の皆にも持っていく約束してるから!」


「…おう!任された!」


天狐は飛び出し先程の高級魚を目がけてぶっ飛ばす。

目的地に着くと尻尾を出して採る準備をする。


「ふふふ、進化した僕の尻尾を見ろ。」


そういうと9本の尻尾を出す。

ただ違うのはしっぽがあるのにも関わらず威圧感が出ていない。


そう、抑えることに成功したのだ。ヤマタドナとの特訓で身につけることが出来た。これで無駄な魔力消費も抑えられ何時でも尻尾を使うことが出来る。相手を威圧する時には威圧感まで出すけど。


早速と海に潜ると尻尾で先程の高級魚を5匹捕まえて船に戻る天狐だった。


船に戻るとウミボル達も他の魚を取っていてこれなら大漁であり、今日1日で終わりそうだ。


「おお!天狐様大漁じゃねぇか!これなら暫く遊んで過ごせるぞぉ!」


「よっしゃー!」「キャバクラ行こうぜ!」


「6匹あるから1匹は屋敷に持っていくね?」


「それくらいなら全然いいぜ!1番でかいの持っていきな!」


「ありがとう!」


「よし、こっちも沢山取れたから港に戻るぞ!」


「「「「おお!」」」」


「じゃあ早速戻ろうか。」

天狐はそういうと眼を使って港に船と時空間移動する。


皆呆気ない顔してたがこれならガソリン代もかからない。実にいい方法。


「ここは、港か?」「凄すぎるぜ。」「まじか。」


「じゃあ売りに行こう!」


魚はしっかり売ることが出来て売上は8000万、諸経費等差し引いてウミボルたちは1人1000万、天狐は2000万、余ったお金は今後の資金とした。


魚は捌いて貰って今は尻尾に冷気を出して尻尾冷蔵庫をしている。


「天狐様よ!今日はありがとな!しかしもう少し持って金持って行かねえのか?」


「これくらいあれば十分すぎるよ、それにそっちだってお金があったことに越したことないでしょ?」


「そうだな!サンキューだぜ!」


「そうだね!こちらこそ楽しかった!また行こう!」


「おう!何時でも言ってくれ!」


「じゃあ、また今度ね。」


天狐は皆と別れると時空間移動で屋敷に戻っていった。





「にしても兄貴、天狐様凄かったですね。また連れて行ったらお金持ちになるかも。ぐへへ。」


「おい、変なことは言うなよ。変に誤解されたら首が飛ぶかもしれないぞ。」


「気をつけますぜ。」


「さてさて兄貴、今日はどうしますか?」


「もちろん帰って飯だ。妻が待ってるからな。」


「へへ、じゃあ俺たちは街に行って飯にでも行くか。」


「「おっしゃー!飲むぜー!」」


ウミボルの下っ端たちは元気に街へ歩いていった。



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