第67話 Let's お金稼ぎ!
次の日、天狐はアースランドに教えてもらった近くの港に来てた。どこか乗せてもらえる船を探そうと思っていたが港に着くと「あ、天狐様だ〜!」という声に皆が反応し、大勢の人に囲まれてしまう。
天狐のことを知らない人はこの国にはいないため仕方が無いことだが、驚いていた。
「天狐様〜!」「きゃー!こっち向いてー!」「可愛い〜!」「本当に男なのか?」
目の前でそんなことを言われるたから顔が赤くなっていた。本当に男だぞ。
「「顔真っ赤にしちゃって可愛い〜。」」
もういいから離れてくれない?僕は用事を済ませたいんだけど。
「なんでこっちに来たの〜?」「お忍び〜?」「これ食べな〜。」
なんか魚の唐揚げを渡されたんだけどサクサクして美味しい。とてもジューシーでございます。
天狐は食べ終えると当初の目的を果たす。
「えっと、仕事しに来ました。暫く他の国に行こうと思ってお金が必要なんです。だからどこかの船に乗って手伝おうかと、魚を採るのは得意なので。」
皆が黙ってお金を渡してくる。
「いや!やめてよ!働いてないのにお金貰うわけにいかないじゃん!せめて500キロのマグロとかとるからそこから取り分とかでさ!」
「いや、この国の恩人にそんなことさせられねぇべ。どうぞ貰ってくれ。」
「いや、初対面だよね!?あとそこまで君たちに恩恵が来てるとは限らないよ???」
「知らないかと思いますが、この国からは魔獣は消えて魔獣被害がゼロになったんですよ。それだけでもお釣りが来ます、ですので。」
「だからって受け取れないよ、こっちは働きに来たんだから。」
「…だったら俺の船に乗らねえか?デケェ魚採れるんだろう?」
「え、いいの?もちろん採れるけど、魚だけでいいの?」
「あぁ、いいぜ!なんせデケェ魚は何百万ってするからなあ!半分でどうだ?」
「乗った。」
「よし、明日は午前3時に集合な!」
「了解した。」
「それと俺は漁師のウミボルだ!よろしくな!天狐様!」
「よろしく、ウミボル。」
こうして仕事場をあっさりと探すことが出来、屋敷に帰ろうとする。
アースランドは屋敷にいることを感知して戻ろうとすると天星眼が動き目の前に奇妙な真っ黒な空間が出来た。
「え?え?これはなに?」
恐る恐る腕を突っ込んで見るとなにもない。動かして見ると腕を捕まれ引っ張られた。
「えい!」
「うわ!」
天狐は誰かに引っ張られ真っ黒な空間を移動するとそこにアースランドがいた。
「あれ、アースランドさん?」
「天狐ちゃんだったの?いきなり変なとこから腕が出たからびっくりしたよ!」
「えっと、仕事場は見つけられたので帰ろうと思ったら眼が勝手に動いちゃって。」
「でもいきなりなの?」
「アースランドさんの魔力を感知して移動しようと思ったら。」
「今までそんなこと出来てたの?」
「いえ、出来てなかったです。多分初めて?」
「なんかもっと便利な眼になっちゃったね。」
「そうみたいですね。」
「それで仕事場は見つかったんだっけ?」
「はい、ウミボルって人の船に乗せて貰えるようになりました。明日早朝に行ってきます。」
「そっか!よかったね!じゃあもう寝るの?」
「んー、今日は起きてようかと思います。長期で眠ったあとは寝なくても良くなって。夜が暇になることがあるんですよ。」
「そうだったんだ、だったら一緒に寝るのやめる?」
アースランドが落ち込んでしまう。
「寝ること自体は出来るのでまだまだ一緒に寝てもらいますよ?もっとくっつきたいですし。」
「そっか!なら明日からまた一緒に寝ようね!」
「はい!」
「じゃあ僕は明日の準備してきます。」
「また明日ね!大きい魚採ってきてね!」
「はい、おやすみなさい。」
「おやすみ!」
2人は軽くキスをして天狐は部屋を出る。
「さぁ、明日は大きい魚採るぞー!。」
天狐はテンション高めに廊下をふんふん歩いて部屋に戻った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます