第66話 強さとお金の稼ぎ方を考える。
ステリオス帰還1ヶ月後、天狐は役所の手伝いには行かず訓練所で特訓をしていた。
フェデリカさんたちは「えぇー、もっと居てよ〜。」と言われたが僕はもっと強くなりたいので特訓していた。
僕が主にしている特訓は実践形式ヤマタドナと1体1を行っている。勝てることもあるがさすがに実践経験の差があって尻尾なしだと勝てる確率もぐんと減る。今のところはヤマタドナが8割勝っている。もちろん向こうも人型で全力は出していない。お互いに全力を出すのならば殴り合いか魔法の撃ち合いになると思う。それはそれで楽しいけど。
この世界は強者が沢山いるらしく天狐は少し楽しかった。
そして今日も今日とてヤマタドナと特訓し、負けた。
「うはー!負けた〜!」
「フッ、今日も私の勝ちだな。しかしこれならあと数年すれば追い抜かれるな。」
天狐は地面に背中を着きながらヤマタドナと会話する。
「そう?そう簡単に技量が追いつけるとは思ってないけど。」
「私からすれば怖いくらいの成長速度だぞ、本来なら数十年以上かかることなのに。」
「そっか!なら早く追い抜かして5年後には追い越したいね。」
「私はそう簡単に追い抜かせんぞ。」
「ヤマタドナの動きは読めるようになってきたからね、尻尾なしで勝てるように頑張るよ。」
「私が直々に指導してるんだ、いつかそれくらいにはなるだろうな。王都で戦った時みたいに。」
「それは覚えてないけどまずはそこを目指そうかな。」
「そうだな、そこを目指すといい。私も強くなってこの世界で1番になってやる。」
「え、ヤマタドナって1番強くないの?」
アースランドがヤマタドナに問いかける。
「私は2番目だな、1番はエルフの里の藍那フレアだ。魔力の質量も技量も私を超えている。さすが私より10倍以上生きているエルフだ。他のエルフも技量が高く油断出来ない相手だ。」
「そうだったんだ〜、ならエルフの里って最強だね。」
「最強かもな、ただヒィストの方が資源や金は持ってるからな。戦ったら私たちが勝つだろう。天狐もいることだし。」
「それだけで勝てるの?最後は力がものを言うと思うんだけど。」
「いざとなれば私と天狐が一体化すればいい、そうすれば戦力は何倍にも膨れ上がる。」
今度は天狐がヤマタドナに問いかける。
「え、合体ってそんなことできるの?」
「互いに合体魔法を使えばいけるぞ、私が開発したものだがな。」
「それを教われば勝てるわけか。いいね、合体。なんかかっこいい。」
「そうだろうそうだろう。」
「ヤマタドナは他にどんな魔法を開発した?」
「身近なものでいうと結界関係だな、結界はエルフの里にしかないものだったが解析して作った。」
「へぇ、エルフは魔法の扱いに長けてるんだ。」
「そうだな、だから結界は基本エルフにしか使えん。」
「僕の世界だと人間族と獣人しかいなかったから不思議だ。」
「ならどこか出かけてみたらどうだ?ヒィストは人間族と獣族しかいないぞ。」
「それいいかも、飛んで行けるし。でもお金あんまり持ってないや。」
「天狐は給料ほとんど使ってないからあまってるだろう?」
「ヤマタドナの服代で飛んだけど?あまりにもオシャレしてないから使っちゃった。」
「むぅ、サンドレスか国王に出して貰うか。」
「天狐ちゃん私のお金使う?貯金沢山あるよ?」
「いや、大丈夫ですよアースランドさん。ないなら自分で稼いできます。」
「そっか、でもどうやって稼ぐの?」
「船でお手伝いでもやっていこうかと。僕なら大きい魚もとれることが出来るので。」
「確かにそれはいいかもね!」
「天狐なら眼で魚を見つけて飛び込めば1発だろうな。」
「そうそう、どんな生き物にも魔力は流れているから見つけられるんだよ。」
「そういう能力は便利だね〜!」
「じゃあ暫く船に乗せてもらおうかな?でも知り合いいないしどうしようかな。」
「港で声をかけたらいいんじゃないかな?天狐ちゃんのこと皆知ってると思うし大丈夫だと思うよ?」
「そうですか?なら明日行ってみます。」
「船は朝かなり早いから明日乗せてもらえるように頼むといいよ。特訓おやすみでしょ?」
「はい、そうします。」
「じゃあご飯食べに帰ろうか!」
「はい!」「ああ。」
3人は屋敷に戻り、夕食を済ませた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます