groupe d'épuration étranger
ジープはロビーからすでに遠く離れ、フランスの道路を走りながら一行は
勢力であるランサーパクトの拠点の手がかりをつかもうとしていた。
「フランス辺りには拠点がないな…ノルマンディー、サン=ローとか、
内陸部の方も走ってみたがそれらしいところはなかった…」
「フランスには拠点がないみたいだな…となると、ドイツの方か?ヴィン。」
「あり得るな。もし他方から攻められたとしても、地理的に防衛がしやすいような
地形だ。天然の防衛線であるライン川、現実じゃあしっかり橋がかかっちゃいるが
このゲームじゃ壊されて徒歩でしか通れないらしいしな。しかも対空警備も
ばっちりらしい。しかもドイツには(現在の)多くのこのゲームのプロがいるから、
そこで決まりそうだ。しっかしそういう強豪を何人も持ってるってことだ、強いのも仕方ないな」
街中を探し回ったものの、本拠地はフランスではなかった。
だが大体のいる国はもう分かったので、
すぐさまフランスから出てドイツへ向かおうとアクセルを強くした。
瞬間、車へと1発の銃弾が掠めた。ヴィクターは一瞬で気がつき、
「早く車から降りろ!」
とネフィリアとジャッカルを車から手で弾き飛ばしてすぐさま車から飛び出した。
「なっ、どうしたヴィクター!」
急に突き飛ばされ驚いたジャッカルはヴィクターへと文句を言うが、すぐにその理由が分かった。走っていた道路の横の商店街などから
ほんの一瞬マズルフラッシュが見え、即座に銃弾がその首を掠める。
「…あっぶな」
状況を察し、すぐに背中から
「ヴィンの素早い判断がなければ早速重傷になってゲームオーバーだった、流石”自称”元軍人だな。」
「自称じゃねえって何度も言ってるだろうが!まったく…」
現在ジャック達は屋内から射撃され相手が遮蔽物で見えず、こちらは隠れるところが少なく今盾にしているジープもいつ耐久力が切れるのかも分からない。
「
敵からの弾幕を一旦弱めるために
(今のうちに...)
頃合いを見て、ある程度弾幕が来なくなったら素早くネフィリアとヴィクターを家屋の中に走らせ、すぐに自身も家屋の中に隠れようとする。
だが、その背後にすでに敵が一人来ていた。
家屋に入ろうとした瞬間、急に背後から体を拘束され、動けなくなった。
「なっ...クソ、早く離させろ!」
必死にもがいて拘束を解こうとするが拘束してくる敵もなかなか力を入れていて
離れようとしない。
しかもその懐からナイフを取り出して首に突き立てて今にもジャックを
刺そうとしている。
「こりゃ...ちょっとまずいぞ、ダァ!」
ナイフが首に刺さろうとしたとき一気に足に力を入れ、そのはずみで何とか
拘束が解けた。
「ジャック!」
そのことに気づいたネフィリアがすぐにホルスターから拳銃を取り出し
先ほどジャックを拘束していた敵に即座に3発弾を撃ち込み、
何とか胴体にすべて当たり倒せたようだ。
「注意が足りてないな、移動するときも常に周囲を警戒しろ!」
「しっかりやってたぞ!スモークで隠れている敵が背後から来るなんて急には
予測できないだろ!」
「俺が軍人のころはそんなことはよくやってた!」
ヴィクターと言葉の応酬をしながら煙幕から飛び出してくる敵へと
次々に7.62×51mmNATO弾を叩き込みデスさせていく。
「無策にも思える人海戦術だな...だが、そうも言えなくなってきたな...もう弾数が
少ない、マガジンがあと2つぐらいしかないぞ」
「じゃあジャック、お前はネフィリアを連れてこの建物の裏から出て車か、なるべく高火力な武器を探して来てくれ。俺はここで耐える。」
そのまま手榴弾を窓の外に投げ入れ、爆発した途端に
「行け!」と叫び、すぐにネフィーと共に家屋の裏へと出て周囲を探した。
「そう簡単に車が見つかるかよ...ん?」
ライフルをしまい拳銃に持ち替え、裏の道を進んでいると破壊された家屋に
先ほど見たことある勢力のロゴがあったのを見かけた。
「これは...」
見つけたのはランサー・パクトの旗で、家屋の中にひっそりとたてられている。
中に入ると、なぜか一つ携帯電話が落ちている。そしてその携帯電話から
着信が来ているのだ。
「...はい」
若干警戒心を抱きながらも、携帯を手に取り通話をする。
『ん?いつも連絡していた奴とは違うな...なるほど、大体わかった。
そこの拠点も
電話の奥から聞こえてきたのは若干若そうな少女の声だった。
聞き取りようによっては幼女の声にも聞こえるだろう。
「あ、ああ、俺は最近入ってきたプレイヤーの一人で、ランサー・パクトっていう勢力に入りたいと思って拠点を探してたんだ、それで...」
襲われたことを説明すると、電話の向こうの相手は意外にもしっかり
対応してくれた。
やはり電話の相手はランサー・パクトに所属している人物らしく、しかも
ちょっと上の立場であるらしい。
『...なるほど、浄化者たちは初心者、猛者関係なく集団で襲って物資を奪うからな...
わかった。ランサー・パクトに入れてやろう。だから今からそちらに救援物資と
それまで自力で耐えろ。車の中に私がいる基地の位置情報がある髪がダッシュボードの下にあるから何とか離脱したらそこを探してくれ。それでは、健闘を祈る。』
と言われてから、電話は切れた。
「ネフィリア、とりあえずこれで車はつかめたぞ、しかもランサー・パクトに
入れてくれるそうだ。ヴィクターのところに戻るぞ。」
「...いや、よく話が進んだな!急に電話かかってきてこんな急展開あるのかよ!」
「あるんだなあそれが...はは」
と若干の苦笑いも生まれながらもヴィクターのところへと戻る。
「お前ら、ちょっと遅かったんじゃないか?それじゃあ車は見つかったんだろ?」
ヴィクターは建物の中で大量の敵兵をマチェーテで葬っていた。
「いや、それが...車は見つからなかったんだが...」
「何?見つからなかっただと?」
「待て待て待て、まだ早い!車は見つからなかったんだが道中でランサー・パクトの拠点らしい所見つけて、そこで電話がなってたから出たら、電話の向こうの奴が
ランサーパクトの人だったんだ。それで組織に入ってくれるなら支援してくれる
って言ってきて、あと一分ぐらいでハンヴィーと支援物資が届くらしいから...」
「それを先に言ってくれ!早くここから出るぞ!」
「ちゃんと話聞けばいいのに...」
早とちりでちゃんと聞いていないヴィクターに若干呆れるネフィリアだった。
外に出ると、すでに上から何かがヘリから落とされ、それはちょうどジャッカルの目の前ギリギリに落ちてくる。それは先ほど言っていたハンヴィーだった。
「うっわあぶな!今日何かとスレスレになることが多いな...」
「だからもっと注意しろって言ってるだろ...って、これが救援物資か?」
目の前に落ちてきたハンヴィーには
先ほど使っていた銃の
「これはありがたいな...とりあえず、車に乗って早く逃げるぞ!」
すぐさま車に乗り込みネフィリアが運転、機銃はヴィクターが操縦することにし、
ジャッカルは基地の座標があるマップへのルートをネフィリアに教えることにした。
すぐにエンジンをかけたが、すでに背後に敵兵が確認できた。
「この5.56mm弾の弾幕を喰らいやがれ!」
するとヴィクターが荒ぶったように敵兵にM249の弾幕の嵐を喰らわせていく。
これで敵兵がまったく近づけなくなったので、今がチャンスだ。
「ネフィリア、アクセル全開だ!」
「わかってるよ!」
そのまま一気に足を踏み込み、車はどんどん敵から離れていく。
「これで何とか...やっとランサー・パクトの基地に行けるのか。どんなものか
楽しみだな...」
気づけばヴィクターが機銃から降りて、回復の包帯をしていた。
そういえばHPバーを見ていなくて気づかなかったが自分も結構なダメージを負って
いる。早めに回復しなければ、とすぐさま回復用のスティムを自分に打ち込み、
一緒に包帯も巻いた。
「電話の向こうの主はどんな姿かな...。」
==========
あとがき
どうもこんにちは拉麺眼鏡でございましょうが、
ここ最近結構コロナ時より精神が回復してまいりました。
おかげで文字数がはかどり
約3,300文字になりました!しかもジャッカルサイドでこの文字数!
天音ルートも進めろということなのですがね!
まあ天音ルートは次回進めるのでそこはお楽しみに!
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