第64話 草加部からの提案(作戦)

7月26日(水)夕方16:42分

草加部は起きると、台所でタバコを吸いながら具体的に戦略を考えていた。


奥さんはパートに出ていていない。


2024年問題での残業時間の厳正化。

荷降ろしを手伝うか曖昧。

味方を増やし敵を減らす。


こういうのはどうだろうか。


朝の関東便と上越便の時間帯から日勤と夜勤のシフトが重なり人数が増える。仕分けが4人もいれば荷降ろしの方が負ける。


だから手伝う。


配達ドライバーへの理由付けはどうするか?


早く荷物を繋げるために荷降ろしを手伝う。早く繋がれば早く出発できるのでちょっとでも余裕ができるのではないか。


これでどうだろう。


そして大型ドライバーを味方にする。


草加部はこれを提案することにした。できれば書面にして出したい。その理由がある。個人間で決めてやってしまったら、勝手にやり始めたかのように言われてしまう恐れがあるからだ。やるなら組織的にやりたい。


パワーポイントで作る必要がある。作ってから却下されたのでは労力が無駄になる。


まずは打診してみよう。


そして、19:26分


今村が事務所から出てきたので草加部の方から行った。今日は大沢は休みなので草加部一人だった。


「所長すいません」

「はい」

「実は提案があるんですが」

「提案?」


草加部は提案の内容を説明した。大型ドライバーを味方にすることや、個人間でのやり取りにならないように組織的にやりたいということも含めて説明した。


「なるほど」

「新しく入った林さんが完全に染まる前に、役割分担の話しと構内作業員の役割を含めて、今回の提案を一緒に説明してはどうでしょう」


「ん~、ありなんですけど、その前に東藤さんとカイ君の話しを聞いてからじゃないと、また、おかしくなりますよね。」


「そうだと思います。グリミーですよね。私では時間帯が合わないので所長からお願いできますか?」


「そうですね。分かりました。」


「確認の後、大型ドライバーに説明するための資料を作りますか?」


「大変だからいいですよ。役割分担を説明して、朝の時間帯だけは協力しあって配達担当者に早く繋げましょうということですよね。」


「そうです。」


「だから、東藤さんとカイさんに話しを聞いて、オッケーであれば、そのまま3人に説明しちゃいますよ。あと、大型ドライバーにも。」


「あっそうですね。ありがとうございます。」


「じゃあ、そういうことで、引き継ぎは特にないですから。県内の発送は北日本の所属の人が立ち寄るそうです。」


「はい、分かりました。」

「じゃっ、あがります。」

「はい、お疲れ様です。」


草加部はダイエットで軽くなった体で作業に戻った。もうデブじゃない。ダイエットを始めて1年、79.8kgまで落ちていた。


きちんと守っていたのが、筋トレをしてからウォーキングしていたことと、手は前に振るのではなく後ろに振る。これだけは守っていた。


あとは、どうせだから、カッコよく歩く。ウォーキング中はモデルになったつもりでモデル風のイメージで歩いていた。


身長183cm、体重79.8kg。


どうだろうか!


モデルというのは無理。そうは見えないと思う。


痩せたよな~という声も聞こえてくるようになっていた。ただ、最近になり体重の減り方が遅くなってる感じがしている。あと5kgは減らしたい。


フォークリフトでパレット物を整理し始めた。お腹は揺れていない。


顔の脂肪も取れ、奥さんに「シュッとした。」と言われた。これからも継続しようと思う。


ーつづくー

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