第2章 メリオス決戦No.5
ーーー引き続き、メリオス城の個室。
メリオス城では相変わらず“シーーーン”と静まり返っている。
思い返せば半日前、出発寸前で兵士達の士気が高くなり、大きな奇声さえ響いていた。
「なぁ、俺も連れて行ってくれよ!!」
ダビドは微笑みつつもゆっくりと首を振る。
「すまないな。この戦争は部外者のものに手を貸すということはしないんだ。分かって欲しい」
俺も諦めつつも、ダビドが説得ことに願っていた。
「そこを何とか!ね?一兵卒の雑用係として雇っていいからさぁ!!」
一兵卒とは1番の新人で、1番先に雑用係を率先しなければならないのだが、それでも雇って欲しい…だが、それでもダビドは首を横に振らない。
「……ゴメン、何気ない質問なんだけど、おまえ、この戦争が終わったら一兵卒の雑用係としてどうする?」
「顎で使ってた人々を闇討ちして回る」
「却下!!」
俺は素直に答えつつも、それを聞いたダビドの答えは“却下”であった。
「何でだよ!?」
「アホ!!大切な兵士達を闇討ちにさせられるか!!」
…ということで、当然ながら“お留守”という大役になってしまったのだ。
ーーーーー
「鬱陶しいのぅ……部屋をグルグルせずに“ドシッ”と構えんかい!」
俺の姿を見て、シルバードラゴンは大きくため息を吐きつつコーヒーを“スズッ”とホースみたいなものに吸っていた。
「だってさぁ、客観的に見て明らかに戦力不足だよ?自殺しに行くようなものだよ?」
シルバードラゴンは興味のないことには、あいわらず無頓着でコーヒーが“うまい!”と感動してしまった。
「だから、なんじゃ?“魔族協定”とは王のトップ、すなわち王が死んだら、すぐに発動するんじゃ。それまで待っとれ」
「トップの王が死んだらって、それじゃ意味がないんだよ!」
シルバードラゴンがしらけてしまったので、つい声を荒げてしまった。
「……あいかわらず、人間想いじゃのう?何故、人間にこだわる?どうせ、たかだか寿命は100歳ぐらいかのう?」
シルバードラゴンは興味の無さそうな顔をした。そして次々と口に出す。
「それにここの目的は“ジョゼをぶっ倒すこと”と“ミスリル鉱石”を探すことじゃ。それ以外には興味ないのう」
シルバードラゴンが興味無さそうな顔をした。だが、次の瞬間ジョゼのことに話がおよんだ時、シルバードラゴンは邪悪なオーラが城内に響き渡る。
「ジョゼか?ジョゼという人物?悪魔?どっちでもええわ!凄く興味ある。ジョゼはここに連れてきて八つ裂きにしたいぐらいじゃわい」
“改めて見ると、シルバードラゴンは“悪魔”である”
普段なら可愛いらしい方であるが、いざ蓋を開けてみると邪悪な悪魔そのものであった。
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