第1章 布教の行進No.7

ーーメビオス城にて


俺は“夜も遅いですし……数日…いや、数ヶ月は居てもらわないといけませんし…”と、メビオス城のメイドさん?従事者さん?に“サラリッ”と無茶振りというよりは強迫?というようなことを言われてしまった。

シルバードラゴンも言われたようだが、あまり気にしていないが、王に報告→幹部会議に報告など何かと忙しいそうだ……そして、今に至る。。。


「あぁ、シンドイわい…こうも人間は会議、会議、会議と会議好きじゃのう……正直に言ってホンマ、アホじゃ!」


シルバードラゴンはアルコールの入ったグラスからストローらしきものを咥えて勢いよく吸ってみた。

“ズズー!!!”


「しかし、あのジョゼ…ムカつくなぁ!いっぺん、戦争でドツたろうかぁ…」


俺は段々腹が立って、腹が煮えくりかえるような気持ちになる。


「アホぅ、それこそ“魔族協定”違反じゃ……って、待てよ…もしかして“魔族協定”って、知らんのか?」

「……魔族協定って何?」


シルバードラゴンは“コイツまじかぁ……”という顔をしていた。俺も何だか、いたたまれない気持ちになる。


「…って、ことは“魔族の種類”のことを知らんことになるのう……正直、面倒くさいわい!」


“だ・か・ら、コチラとしては初心者なの!!そもそも“魔族の種類”や“魔族協定”など、わけわからん事なんて知らんし!!”

俺のムカついた様子でシルバードラゴンを見たのか、それに気が付いたシルバードラゴンは少し穏やかになる。


「まぁ、突然、悪魔になったんだったら仕方ないのう……魔族というのは……」


簡単に言ってしまえとこうだ。

魔族というのは大きく分けて2つになる。1つ目は“自由魔族”。

自由悪魔の特徴は“手を出さない”こと。ただし、危害になったら徹底的に処分する感じだ。2つ目“正統魔族”。

正統魔族の特徴は魔族の力を誇示し、力で世界征服を企むという感じだ。

ジョゼは“正統魔族”に分類される。ただ“魔族協定”と呼ばれる内容は相手が直接攻撃(間接ならOK)した場合、もしくは相手からの依頼(直接、王からの依頼ならOK)がなければ手出しはできないというものだ。


「そういうことなら、ダビド王に言えばいいじゃんか!!では、早速……」


そう感じた俺は早速、ダビド王の元に走り出そうと思ったのだが、俺の襟首を引っ張って阻止をした。


「待たんかい!このオッサン(ダビド王)のことは一理ある。それに魔族協定のルールとして“王を含めて当事者が黙っておく”という決まりじゃ」


俺は何とも言えない気持ちになる“魔族協定”のことを聞き、恨めしそうな顔をした。

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