第3章 新大陸No.4
「待て!待て!待て!!!話せば分かる!」
「オマエと話すつもりはない!」
俺は両手を上げて“白旗のポーズ”をしたが、アジカの民は容赦なく斧を俺の方へ向けて振り下ろす。いや〜当たれば即死コースだな……。
ここは集落のあるキャンプ地。小さな野作物を植えているが、いざとなれば1日も立たず移動できるぐらいの簡易的な建物だ。
ちなみにこの人物は少し焦げ茶色で、髪の色は黒。目は黒色の夏に現場で働いている日本人を想像した方が分かりやすい。
「あぶねー!!」
「……オマエ、なぜ避ける?避けなかったら、楽にあの世に行けたのに…もったいない」
男は再び斧を持ち上げて俺の狙いを定める。どうやら、冗談ではなく俺の命が欲しいようだ。
“……勘弁してくれよ。普通の敵だったら、一瞬で蹴散らすのに、今回の相手はそうはいかない……”
“チラッ”と周りの様子を観察してみる。
他のアジカの民は斧を両手で握りめて“次は俺がやるぞ!”という雰囲気で熱気が溢れている……本当にまずいことになってしまった。
ーー数分後
俺は斧を振り下ろす→避ける→振り下ろす→避ける……コレを永遠に繰り返した。
“どうしたもんかなぁ”と俺は考えながら避ける。
と、突然シルバードラゴンが雄叫びに似た。咆哮を上げた。
“ブォォォ!!!!”
アジカの民は一瞬、戦意喪失になってしまうが、さすがはプロである。
心を奮い立たせ、どうにか戦闘モードになる。
シルバードラゴンが再び咆哮を上げようとした瞬間!
俺はシルバードラゴンの首を掴んで思いっきり地面に叩きつけた。
“ベチーーーーン!!!”
「うるさいじゃ!!!ボケ!!!」
「えーーーー」
アジカの民全員が口をアングリをしていた。
そして突然、地面に叩きつけられたシルバードラゴンは一瞬、気絶したが再び意識を取り戻し戦闘準備に入る。
“カチッカチッ”
シルバードラゴンは大きな口を開けて火花が散ったと思った瞬間、俺の体の方へ炎が噴射した…かの様におもえた…俺が初見を見るまでは。俺はシルバードラゴンが大きく口を開けて火花が散った瞬間、咄嗟に横に逸たのだ。
“ブォォォ!!!”
シルバードラゴンが地面に叩きつれてから炎を放つまで、およそ1秒。
しかも、俺の予想よりも大きな炎にビックリしてシルバードラゴンの目を見る。
「あぶねーじゃねーか!!」
「そりゃ、本気で◯ろそうと思ったからのう」
“こりゃ、マジだ…”
何故なら、シルバードラゴンの目がマジな顔になっていたからだ。だが、先に手を出した手前そのまま突っ切るしかない!
俺はシルバードラゴンとの戦いを最小限にすべく、シルバードラゴンの首根っこを掴んで近づける。そうすれば下手に炎は使えないのだろう。
「何すんじゃ!この汚い手を離すんじゃ!」
“バタバタ”とシルバードラゴンの抵抗する。しかし、こっちとして正に死活問題……いや、死ぬ寸前の事は予測できる。なので、こちら側としては必死になる。
「……あの、いい加減にしてくれます?出来たら、身内の喧嘩は他所にしてくれますか?……本当にしらけるわ…」
アジカの民の代表者らしき人が冷たい目でこちらを向く。さらに“本当にしらけるわ…”とポツンと独り言のように呟く一言…俺らの心に“ズシンッ”と重くのしかかったのだ。
シルバードラゴンは気持ちを切り替えてアジカの民に話かける。
「……おぉ、そうじゃ。ここの村の目的は何も敵対心などではない」
「…という事は“バロンの関係者”ではないのだな?」
シルバードラゴンは大きくため息をついた。そして“チラッ”とこちらの方に目が合う。咄嗟に“バロンの関係者?”と疑問に思ったのが、正解だったらしい。
まだ警戒心を解くのは早いが、リーダーは1段階戦闘モードを解いているように感じた。
「あほう、バロンの関係者なんぞ興味ないわ!ワシの目標は“神”じゃ。ここら辺に神はいないかのう?」
アジカの民が“キョロキョロ”をお互いを見る…まるで“どうすんだ?どうすんだ?”と言っているようだ。
俺の予想だと
“ここで嘘をつくと大惨事になってしまう。ただ、シルバードラゴンには早く帰ってほしい…”という様ようなものだ。
数秒後、沈黙を保ったのだが1人の少年が覚悟を決めたのか意を決したよう声を発する。
「神ならいる」
「いるんかい!!」
俺は思いっきりツッコミを入れた。
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