献身

aaaaaaaaaaa

献身

だってかわいそうだから、引き止める僕らに彼女はそう微笑んだ。


奴はどうしようもないやつだった責任感もなく思いやりもなくどこか秀でたところもない欠点ばかりに目が行くような男だった。


奴が独りそこに向かうと聞いて、僕らの中で一番優しい彼女はそう言って奴と共に行った、特に親しくもなかったはずなのに。


奴の強張りつつも安堵した表情と彼女の朗らかな顔を僕は一生忘れないだろう。


並んで歩く二人の背に何故か僕は羨望を覚えた、訪れるのは絶望しかないとわかっているのに。

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献身 aaaaaaaaaaa @sakuraidayo

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