やさがしされてるみたい。

 やさがしされてるみたい。


 正に家捜しなのか。

「あいちゃん……」

 きゅっ。

 赤ちゃんお母さんを抱くのは実はけっこう好きだったりする。今じゃ気恥ずかしくなってなかなかできない「お母さ~ん! だっこ~!」ができるからだ。

 だっこしてるのはわたしの方なんだけど、体はそりゃあ赤ちゃんお母さんの方が大きいよね、な為、ぎゅーしててもぎゅーされるのはわたしの方だよね! って構図。

 お母さーん。むにむにー。

 心の中で言いながらぎゅー。




 タメダはいちいち驚いたりそれを声に出したりしていた。

「マジか」「やっぱりな」「んー」「あぁ……」

 近くでそれをじっと見ていたお姉さんも、次第にタメダ同様顔色が険しくなってきていて、二人で眉根を寄せている姿はなんかこれはこれでいいなって思う。

 夫婦。

 結婚してくれないかな、タメダ。うちのお母さんと。どれでもいいけど。

 そすりゃわたしは一安心できるのに。

「あい」

 タメダが振り向いた。

 手にはいろいろ通帳以外にも書類を持っている。目張りして隠してはいない。瞳は最早それどころじゃないって感じを示している。

 お姉さんを見る。

 目を逸らされた。

「なに」

「あい。それからみんな。一旦、集まってくれ。話がある」

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