第2話 祖父と祖母

私から見た祖父はピーナッツ好きで家事はしないがいたずら好きでユーモアのある男だった。私から見た祖母は真面目で料理が上手で一緒に歌を歌ってくれる優しくて面白い女性だ。


私の祖父母は訛りのせいかとてもキツイ言い合いをよくしていた。私はいつも喧嘩しているように見えた。でもそれほど心配はしていなかった。二人はお互い“ばあさま”と“じいさま”と呼び合っていた。私はそんな二人が好きだった。


祖母は私の師匠だ。私は料理を祖母から教わった。裁縫や掃除、洗濯ものの畳み方もすべて祖母から教わった。近くのスーパーによく二人でお使いへ行った。道中は茶摘みの歌を歌った。私の幼少期は祖母のおかげで充実した日々を送っていた。


祖父がテレビを見ているとき、私と祖母は床の雑巾がけをした。また違う日は、べっ甲飴を作って祖父にあげた。寒い冬の日、祖父は石油ストーブの上でピーナッツを丁寧に炒めていた。祖父がまだ元気だったころ、初めて宅配ピザを頼んで皆で食べた。


私が祖父母と過ごした時間はかなり前であまり記憶が残っていない。けれど、いとこや私の三つ年の離れた姉と比べると私が祖父母と過ごした時間は一番長かったと言える。それがいまでも一番の自慢だ。

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