猫になれたら

あるふぁーど

プロローグ

今日は入学式。セットしたアラームを止めて、瞼を開く。


「にゃあーん」


「猫はいいよな。勉強も仕事もしなくていいし。」


布団を退けて起き上がり、窓の外の三毛猫を眺めながら呟いた。


【なってもいいよ?】


「は?」


頭の中に声が響いた。

その瞬間、起きたばかりのベッドに倒れ込み、意識を失った。

















……ここは……


ベッドから起き上がり、眠気が残る頭を働かせながら自分の状況を把握する。


そうだ、頭の中に声が響いて……


「おきたかにゃ?」


「!?」


振り向くと、そこにはあの三毛猫が。


「どゆこと?」


「きみはねこになったんだにゃ」


「???」


「じぶんのからだをみてみるにゃ」


言われるままに自らの体を見下ろす。

視界に映ったのは、毛並みの整った黒い体であった。

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