第75話 ブラックサイクロプス戦 (1)

【ゴブリンの大群のキャンプ】

【離島】

【フィリピン】

【2024年5月11日】

【13:40】


 巨大な黒いポータルがゴブリンの死骸をすべて吸い込み始めた。


「レイラニ。 風魔将が急いで去った理由がわかった気がする」


「生贄召喚の罠に引っかかったんだ。レンジャー部隊はただのエサだったんだ」


「黒い扉から何が現れるか知っているか?」


「いいや。これから確かめるんだ」


 ゴブリンの死骸をすべて吸い込んだ後、巨大な扉から巨大なモンスターが現れた。


「ブラックサイクロプス?」


 怪物を見ると、黒いサイクロプスは緑色の目をして、鍛え上げられた筋肉を持ち、金属のトゲ付き棍棒を振り回していた。 それに、その怪物はジャングルの木々よりも背が高い。


 レイラニはすぐに私に伝えた。


「本部から聞いたところによると、黒いサイクロプスは異次元から来たらしい」


「なるほど。 攻撃を開始する」


「気を付けて。 その怪物の能力はわからない」


「了解」


 私は呪文を唱え始めた。


【呪文:ホーミングシャドーアロー】


 複数のシャドーアローがブラックサイクロプスに向かって飛んでいく。しかし、ブラックサイクロプスは金属のトゲが付いた棍棒でシャドーアローを防いだ。


 私は次の呪文を唱えた。


【呪文:スモークスクリーン】


 私は素早く黒サイクロプスに向かって走り、スピリット刀で黒サイクロプスの足を斬りつけた。しかし、私のスピリット刀はモンスターに傷をつけることができない。


 モンスターは私に気づき、踏みつけようとしてきた。私は攻撃をかわして逃げ、次の呪文を唱えた。


【呪文:ファイアボール】


 火の玉が黒サイクロプスに向かって飛んでいったが、効果はない。


 私は次の呪文を使った。


【呪文:火炎放射器】


 手を上げると、炎が黒いサイクロプスめがけて飛んで行った。しかし、攻撃呪文も効き目がなかった。


 幸い、黒いサイクロプスは煙幕に隠れている私を見ることができない。


 ならばと、目玉を狙うことにした。


【呪文:ウィンドジャンプ】


 黒サイクロプスの腕に飛び乗り、頭目掛けて走った。しかし、黒サイクロプスが金属のトゲが付いた棍棒を振りかざした。


 すかさず魔法の盾を張った。


【呪文:シールド】


 私の魔法の盾は、一撃で粉々に砕け散った。素早い二次防御として、私はスピリット刀で金属のトゲが付いた棍棒を払いのけた。


 武器がぶつかり合った後、私のスピリット刀は粉々になり、私は地面に投げ出された。


【呪文:ウィンドジャンプ】


 私はウィンドジャンプの呪文を使い、落下を止めた。


「しまった」

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