第50話 白馬の騎士様がクラーケンを退治してくれました
皇太子が竜ちゃんに噛みつかれているのに、全く関心のなかったセドは、コリンナの悲鳴を聞くや否や駆け出したのだ。
「ちょっと待ちなさいよ!」
私はセドに叫んでいた。
あんたは今は私をエスコートしているんでしょ。
守る相手を放って走り出すなんてどういうつもりよ!
あの糞女。エイブが相手だからつまらないとか何とか考えて悲鳴を上げて私のセドを誘惑するなんてどういうつもりよ!
ムカついた私も慌てて駆け出したのだ。
「「ちょっとキャロライン嬢!」」
竜ちゃんに噛みつかれている皇太子らが悲鳴を上げたが、そんなの知ったことじゃない。
振り返ったら竜ちゃんも皇太子から口を離して私を追ってくるところだった。
「キャロライン嬢、危ない!」
そう言って何故かびっこを引きながら皇太子も追いかけてきた。
これなら良いだろう。私はもう無視することにした。
でも、その先に霧が出てきたのだ。
そして、その先に大きな者が戦っているように見えた。
ガキンっという音もする。
「ウインドウ」
私が叫ぶと突風が吹いて霧を吹き飛ばしてくれた。
その先には剣を振って戦っているモバイルスーツと、クラーケンの様子が見えた。
エイブのモバイルスーツは剣でクラーケンの触手を次々に切り落としていた。
珍しく、エイブが有利に戦っているみたいだ。
でも、そのクラーケンは触手で何かを掴んでいる。
よく見るとその触手は帝国軍の軍船を掴んでいたのだ。
メキメキ音を立てて軍船が締め付けられて悲鳴を上げていた。
たくさんの騎士たちも乗っているみたいだ。
本当に帝国軍は邪魔だ。
いなければこのまま爆裂魔術でクラーケンを焼きいかにしてやるのに!
そう思ったときだ。
私のウインドウが強すぎたみたいだ。
エイブのモバイルスーツが風に煽られて湖に突っ込んだのだ。
あちゃー、あいも変わらず、エイブのモバイルスーツは弱い。格好だけだ。
まあ、見た目は私の傭兵バスターズの中では一番強そうに見えるんだけど……
「ギャオーーーーー」
クラーケンが勝鬨を上げて触手でエイブのモバイルスーツを拘束する。
完全に押さえ込まれていた。
ガキン
土剣が取り上げられる。
そのまま湖の中に引きずり込まれそうになっていた。
必死に引きずり込まれないように、海岸から上がろうとするが、クラーケンの方が強い。
というか、土が既に溶け出しているんだけど。
このままじゃ泥人形になってしまう。
その時だ。私の白馬の騎士のセドリックが海岸から飛上ったのだ。
「聖剣よ、来い!」
そして、差し出した手に聖剣がピタリと飛び込んできた。
そのまま剣を構えると振り下ろす。
エイブのモバイルスーツを拘束していた触手が斬られた。
「ギャオーーーーー」
クラーケンが咆哮する。
エイブは必死に丘に上がった。
セドは剣を構えるとクラーケンと正対した。
「ギャオーーーー」
怒り狂ったクラーケンはセドに触手で襲いかかった。
「ふんっ」
セドが次々にその触手を斬り落とす。
「ギャオーーーー」
クラーケンは更に怒り狂って大きな口を開けた。
火炎放射でもするのか?
でも、その前に海岸からセドがクラーケン目掛けて飛上ったのだ。
「ギャオーーーー」
怒り狂ったクラーケンが光の光線を放つが、その光の光線を避けて、セドは一直線にクラーケンの面前に飛んでいくと、聖剣を真上から振り下ろした。
ザン!
クラーケンを真っ二つに切り裂いたのだ。
「ギャーーーー!」
クラーケンの今際の咆哮と共に真っ二つにクラーケンは割れた。
「燃えよ!」
私はその死体を燃やしたのだ。
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ここまで読んで頂いてありがとうございました。
帝国の軍船はどうなったのか……
本日もう一話上げます。
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