第21話 怪しげなヤツを排除せよ!
【前回のあらすじ】
レもん「恋にバンドに悪魔退治か……最近の
# ♪ ♭
このところ鳴りを
校外の索敵はマキナに任せ、
一週間、成果はなし。ただ一つ、不審者の目撃談が生徒から寄せられていた。ロングスカートを
時間帯は午前中だという。
(ただの変質者か? だとしても正義のヒーローとしちゃ放っておけねぇ)
授業が自習になったのを見計らい、
人目を避けて校舎裏へ。
思いがけずも、外側にいた人物と目が合ってしまった。
ポニーテールに黒いマスク、セーラー服――まではいいとして、足首丈のスカートまで合わさった格好は、時代錯誤なスケバンそのものだ。
(ウチの学校になんの用だ?)
「この時間は授業中では……?」
「アンタこそ制服でうろついてていいのかよ」
スケバンが着ているのは、隣町にある
「今日は創立記念日で休みだ。それで……近くまで散歩に来たついでにお嬢……じゃなかった、知り合い……その、顔見知りに会いに……いや、一目見ようと……」
目測だが、スケバンの上背は
「聞いてもいねーのにベラベラ
「しょ、証拠……」スケバンはポケットから何かを取り出してみせた。「こ、これは彼女からのプレゼントだ!」
『アラヨ企画』とロゴが記されたコースターは、地元企業のありふれた宣伝グッズにしか見えない。
「そんなショボいもん証拠になるかよ。怪しげなヤツめ」
「おい……アタシに名指しでケンカ売ったからには覚悟できているのだろうな?」
「名指し? いきなり何言って――」
前方から凄まじい風圧。あっという間に肉薄されている。考えるより先に繰り出した
「――る…………っ!?」
気が付けば、
即座に身をひねって着地。
「クッ……よくもおちょくってくれたなァ!」
「それはこっちのセリフだ! 大事な贈り物をショボいだの何だのと……あの人のいる学び舎にキサマのようなイカレたヤンキーをのさばらせてはおけん! アタシが成敗する!」
怒りに燃えたスケバンは、先ほどとは反対に一歩ずつ、じりじりと歩み寄ってくる。その様相に並々ならぬプレッシャーを覚えつつも、引き下がる
「さっきから訳の分かんねぇことを……テメェ、一体何様だ!」
「くどい! アタシは
「は? アヤシゲ……ヤナツ……?」
「今さらビビったのか? シャバ僧が」
「いや、オレは怪しげな奴をブッ飛ばしに……」
「何度も呼び捨てにするなぁっ!!」
またもや瞬速の接近。怪しげな奴、改め
(クソッ、正面は悪手だな)
冷静に側方へ回る。裏拳をフェイントに足払いを仕掛けるも、蹴りはスカートの裾を虚しく叩くのみ。
巧みな足
「ぐは……っ!」
「そのまま寝ていろ」
襲い来る踏みつけを、すんでのところで
「みっともなく転げ回りおって。ダンゴ虫か、キサマは」
「ぬかせ。真剣勝負に見てくれなんぞ関係あるかよ」
「違いない。ちょっとは見直してやる」
「んだと? デケェ
「小細工を
唯一の幸運は、両腕がフリーだったこと。
「上等だコラァ!!」
「正気か!? この体勢でどうしようと――」
「こうするんだよォッ!!」
逆立ちのまま、
「ぐっ……! 馬鹿力が…………っ……!!」
片足が浮きかけたところで、
「危ねっ!」
仕切り直しには持ち込んだものの、依然として分は悪い。得意の打撃で攻めようにも、
(拳も蹴りも、タックルもダメとなりゃ、残る手は……)
「どうした? 降参するか?」
「減らず口も……そこまでだぜ!」
気合い一発、
「な、何だそいつは!?」
「今すぐ教えてやる――〈
撃ち出された光の波動が、浮足立つ
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