閑話休題
「少し待ってて」と彼女に声をかけ、僕はノートパソコンの準備を始めた。
彼女がプロット作りをしているのだから、僕も力になれるように何かできないかと考えていた。
ところで、ここはどこなんだろう?と思われたかもしれない。
この物語にも、もちろんプロットはないので、僕にとって都合のいい「どこでもない場所」としか言いようがない。
「聖地巡礼地は、あなたの心の中にある」
うむ、自分でもよく分からない言葉を書いてしまった。
まぁしかし、これも僕の一人称小説だからこそ、成せる業なのだ。
閑話休題。
「お待たせしました」と声をかけたが、彼女はノートに向かい、ペンを滑らせ続けていた。
眉間に少し皺を寄せて、真剣な眼差しで何かをひたむきに書き込んでいる。
声をかけるのもなんだか無粋な気がして、僕は静かにノートパソコンを開き、「いい小説」とは何なのかを調べることにした。
しかし、ネット上にあふれる情報はどれも曖昧で、言葉はたくさん並んでいるが、核心には触れられていないような気がした。
あれこれ検索するうちに、何となく気づいたことがある。
僕は頃合いを見計らって、それらを彼女に伝えることにした。
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