第2話 理想的な彼女?

 二人っきりの教室内。啓介けいすけの目の前には、美少女なクラスメイト――莉子りこが佇んでいる。

 学校内でも一二を争うほどの美貌の持ち主なのだ。

 噂ではビッチだと囁かれているが、その真意は不明だった。


 そんな彼女は清楚系な見た目をしており、世間的なビッチのようにギャルというわけではなかった。


 ただ、おっぱいがデカく、学校指定の制服を着用しているのに、少し別物の服を着ているのではと錯覚してしまうほど。

 それほどに、おっぱいの影響で制服の胸元部分が膨らんでいるのだ。


 決して性的な意味で見ているというわけではないが、自然と啓介の視線が彼女の胸元ばかりに向かってしまう。


「どうしたの?」


 莉子から不思議そうに首を傾げられる。


「な、なんでもないよ。と、というか、なんで俺と付き合いたいと思ったの?」

「それはね」


 莉子は軽く悩んだ後で、童貞っぽいからという返答が返って来たのだ。


 少々ショックだったが、流石に彼女のような美少女が、こんな非凡な人と対等に付き合おうとは普通は考えないだろう。

 むしろ、そんな彼女から付き合ってというセリフを聞けるだけ、まだマシかもしれないと思いつつも、啓介は彼女の顔を見やった。


 莉子の顔の肌は白く、清楚系だと過言ではないほどの純白さを持ち合わせている。

 そんな子がビッチであるはずがないと思う。


 でも、こんなにも気軽に、付き合ってというフレンドリーさがあるのだ。

 もしかしたら、裏の方では色々な人と付き合っていてもおかしくはないと感じてしまう。


 その中の一人だと考えてしまうと、なおさら心が萎えてくる。


「そんなに難しい顔をしなくてもいいよ。付き合うことになったんだし、行こ!」


 莉子から手を差し伸べられ、啓介は教室から出る事になったのだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る