スットコ牧師の宣戦教恐ニュースレター(覚剣編)
そうすみす
プロローグ
第1話 さあ先生、試練だよ
⦅〈前略〉神は真実な方ですから、あなたがたを耐えることのできないような試練に
「―――では、以上を持ちまして、十一月十九日第三
スコット・エディンバーグ牧師はギターを
こうして、毎週日曜日、夜八時からの約一時間の夕拝を終えた。
朝十時半からの
季節を問わず礼拝には必ず3ピーススーツを着込み、
それに、『魔性の男前牧師!』や『悪魔的神イケメン!』など、牧師のスコットにとってはあまり好ましくないコメントも多々あるが、褒め言葉であり、書き込んでいる本人達に悪気がないことは承知していたので、素直に喜んでおくことにしていた。後者は日本語的に
何はともあれ、どんなきっかけであれ、より多くの人達に神様の
最前列の長椅子の上で香箱を作っていた小さな三毛猫が立ち上がって伸びをした。推定だが生後二ヶ月程度。ここ数日、よくこの近辺に現れるようになった。無責任な誰かが
「ラケル、今夜は寒いな。泊まっていくといい」
スコットは三毛猫ラケルを軽く
明日は朝九時の一時限目に
部屋の前に来ると、なぜかラケルが
「どうしたんだ? またネズミでもいるのか?」
スコットは笑いながら言って部屋に入り、商売道具達をドアの横に置き、明かりを点けてネクタイを解いたところで、驚愕し小さく悲鳴を上げた。
十六、七歳と
人懐っこいはずのラケルが、この時は
「こんばんは、スコット先生」
少年の挨拶は親しげでありながら、どこか威圧的でもあった。
「久しぶり。僕のこと、覚えてるよね?」
淡い期待と、それに
「ええと……ごめん。誰だったかな?……って、そんなことより、どうやって入ってきたの?」
スコットは静かに、しかし動揺を隠し切れない声色で問い返す。
それもそのはず。この教会の出入り口は礼拝堂の扉と裏手の玄関の二つしかないのだ。先程まで礼拝堂で夕拝を
「
理久と名乗った少年の口調から期待は消え失せ、苛立ちが
はて? スコットの目の錯覚だろうか? 理久の口の中には尖った牙がズラリと並んでいる。瞳は金色、虹彩は細く縦長で、さながら何らかの
とっくにハロウィーンは過ぎたというのに、かなりクオリティーの高い仮装だろうか? そうだとしても、生々しく
ところで十年前というと、スコットはここに来てまだ一年程度。
元々、ここ
人口減少の進んでいる地域だが、それでも地元住民からの強い要望もあったので、少しばかり不便でも当面はここを
―――さて、十年前、おそらくこの
「君……外山君だっけ? 高校生? こんな時間に、こんな所まで一人で来たの? 早く帰った方がいい」
からかわれているのだろうと思い、スコットは恐怖を押し殺し、できるだけ柔らかい口調で
「……覚えて……ないんだね」
言うなり、理久の声に激しい憎悪が
そして、突然飛んできた拳が、スコットの腹部を突き上げた。
スコットは堪らず
スコットの身長は一九〇センチ以上ある。その顎辺りまでの身長しかない理久からのボディーブローは、信じられないほど強烈だった。
続いて、まだうずくまるスコットの胸倉を片手で掴み上げ、ぶん投げた。
投げられたスコットの体はガラス戸をブチ破り、教会の裏手へと放り出された。
「さあ先生、試練だよ」
理久は
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