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さきおと会って話して、一方的にだけど、自分の考えがはっきりしてきた。
一度考えが決まってしまうと行動に移さないと居てもたってもいられなくなって。
せっかちなのかなあ。
次の日営業部に行って林君を探した。
営業部は、テレワークがない。
ただ外に出ていることも多い。
居るだろうか。
席がどこかわからないから、知っている先輩を見つけて聞いた。
あそこと言う先に林君が座っていて電話をしていた。
林君を見た瞬間、尻込みしてしまいそうになる。
でも早いほうがいい。というか早くしないと自分が気が済まない。
席がわかったからまた違う時間に出直すことにした。
林君は向こうを向いていたから私が来たことに気づいていなかった。
昼休みの終わりごろもう一度行った。
席に座り腕を組んで目をつぶっている。
肩をとんとんとたたく。
びくっとして目を開けて私を見て、目を見開いた。
ちょっと話。と小声で行って、人のいない空間の方を指す。
これはなにか重大なことだろうと林君は察したみたいだ。
人に聞かれないところまで移動して、林君を見る。
林君は神妙な顔をして見返している。
「いい話じゃなくてごめんなさい。」
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