最終話
春の陽光が柔らかく美波藩の空を照らし、穏やかな風が桜の花びらを舞わせていた。そんな美しい春の日、俺と蘭姫様の結婚式がついに行われることになった。
美波藩の中心にある神社の境内には、多くの参列者が集まり、和やかな雰囲気が漂っていた。
参道には鮮やかな花々が飾られ、参列者たちの笑顔が広がっている。
俺たちのために集まってくれた仲間たちの姿が、心を温かくした。
「鷹之丞様、今日という日が来ることを、本当に嬉しく思います」
蘭姫様は、白無垢に身を包み、穏やかで美しい笑顔を浮かべていた。
その姿はまさに輝くようであり、俺は彼女の隣にいることがこれ以上ない幸せだと感じた。
「蘭姫様、俺も同じです。あなたと共に歩む未来を、心から楽しみにしています」
神社の境内には、俺たちの結婚を祝福するために多くの仲間たちが集まってくれていた。
井上玄斎、以蔵先生、新之助、ゲンタ、平八、お鶴、お玉、狐介、そしてお庭番たちや風車弥一、遠山銀次殿、アゲハなど、これまで共に戦い抜いてきた面々が顔を揃えている。
将軍様や、水戸様から祝いの手紙と品が届いていた。
仲間たちの姿を見るたびに、胸が熱くなった。
「鷹之丞様、お姫様をよろしくお願いしますね」
新之助が微笑みながら言葉をかけてくる。
「もちろんだ、新之助。これからもお前たちと共に、美波藩を守り抜いていく」
ゲンタも力強く頷いてくれた。
「俺たちはずっと鷹之丞様についていきますよ」
「お玉は今後もお姫様をお支えしますから、どうか安心してくださいませ」
お玉も微笑みを浮かべている。
そして、遠山銀次殿が一歩前に出て、俺たちに杯を差し出した。
「桜木鷹之丞様、蘭姫様。江戸の街も、今は平穏だ。これからは、二人で美波藩を守り、幸せな家庭を築いてくれ」
俺はその杯を受け取り、銀次殿に深く頭を下げた。
「ありがとうございます、銀次殿。あなたのおかげでここまで来ることができました」
「そうだな、これからも互いに支え合っていこう。俺も江戸でしっかりやっていくから、たまには顔を見せに来てくれ」
そして、アゲハが近づいてきた。
彼女は薄紅色の着物を纏い、まるで桜の花のように美しく微笑んでいた。
「鷹之丞様、蘭姫様、本当におめでとうございます」
「アゲハ…ありがとう。銀次殿との幸せを祈ってる」
アゲハは少し頬を赤らめていた。
「私たちも、あなた方の幸せを心から祈っています」
そして、いよいよ誓いの言葉を述べる時が来た。
神主が、二人に向かって問いかける。
「桜木鷹之丞殿、蘭姫殿。互いを支え合い、未来を共に歩むことを誓いますか?」
俺は深く息を吸い込み、蘭姫様の手をしっかりと握り締めた。
「誓います。俺、桜木鷹之丞は、これから先の人生、蘭姫様を命を懸けて守り、愛し、共に生きていくことを誓います」
蘭姫様も、優しく微笑みながら言葉を続けた。
「私、蘭姫は、鷹之丞様と共に、幸せな未来を築き、共に困難を乗り越えていくことを誓います」
二人の誓いの言葉が神社の境内に響き渡り、参列者たちからの温かな拍手が湧き起こった。その拍手の中で、俺たちは互いに見つめ合い、穏やかな微笑みを交わした。
誓いの杯を交わし、神主が二人の結びつきを祝福する。
「これにて、桜木鷹之丞殿と蘭姫殿の婚儀は成り立ちました。今後も末永く幸せであられますように」
その言葉に、俺たちは再び深く頭を下げた。
結婚式の後、境内で行われた宴では、仲間たちと共に楽しいひとときを過ごした。
杯が交わされ、笑い声が響き渡る。俺たちの未来を祝福してくれる仲間たちの温かさに、俺の胸は満たされていた。
蘭姫様と並んで座り、皆の笑顔を見渡しながら、俺は改めて思った。
「これからも、美波藩を守り、皆と共に歩んでいく。幸せな未来が、きっと待っているんだ」
蘭姫様が微笑みながら俺に寄り添う。「鷹之丞様、これからもずっと一緒です」
「そうだ、蘭姫様。これからも、共に幸せを紡いでいこう」
二人の手がしっかりと結ばれ、そのぬくもりが俺たちの未来を照らしていた。春の風が優しく吹き抜け、桜の花びらが舞い上がる。その美しい光景の中で、俺たちは新たな一歩を踏み出したのだった。
未来への期待と希望を胸に、俺たちは共に歩んでいく。美波藩の未来、そして蘭姫様との未来。すべてが、これから始まる。
そして、俺たちは笑顔で手を取り合い、仲間たちと共に新たな時代へと歩み始めたのだった。
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あとがき
どうも作者のイコです。
初めての舞台を江戸という時代ファンタジーに挑戦しました。
たくさんの方々に読んでもらえて、こうやって最後まで書き切れることができて本当に幸せです。
最後まで読んでいただき本当にありがとうございました。
他にもたくさんの作品を書いておりますので、読んでくださると嬉しく思います。
今後も応援をどうぞよろしくお願いします(๑>◡<๑)
江戸時代で藩経営、可愛い姫様の教育は推し活です。 イコ @fhail
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