第13話

冒険者とダンジョン鍋を食べる1


 1月某日。


 強烈な寒波が日本を襲った。

 特に山陰、北陸など日本海側に面している所は積雪が酷く、記録的な豪雪日となるらしい。


 とはいえ。

 

 こっちは反対だし、滅多に雪など積もらない地域で大丈夫だろうと高を括っていたら――。


「マジか」


 玄関の扉を開けると、そこは一面の銀世界だったと言うべきか。

 ここ201号室から見える外の景色は、どこを見渡しても雪しか見えない。

 事前の予報にあった積雪10cmどころの話ではない。


 そこで、スマートフォンから着信音が流れてくる。


「あっ、おはようございます。小田中です……はい、はい。承知しました」


 どうやら公共交通機関は殆ど動いていないらしく、ひとまず今日は近所の一部社員のみで業務を回す――と言っても他の会社も同様なので、大した事は出来ないだろう。

 という事で、臨時休日となった訳だが――。


「……外に出るのはよそう」


 元々雪なんて殆ど降らない地域で育ったのだ。

 こういう日に出歩くと、ロクな事が無いだろう。

 

 そう思い、俺は一旦準備の為、部屋の中へと戻るのだった。


 

 

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