第7話 2、2、7、4、5、8、1

浴衣姿の私は、ロビーで ゆったり、まったりしたかったのに、程遠い気がしながら


「2日後には 私、東京に帰る予定です。仕事が あるから 小さな不動産屋なので 猫の手も借りたいぐらいなんですよ。雑用ですけどね。でも皆さん良い方で 働きやすいです」 社長の禿頭を思い出してクスっと笑ってしまった。


宮本「いいですね 働きやすいのが1番だよ。内の上司は 怖い あれで 女だから 細かい所まで 気がつくし 抜けたら 怒鳴られるし 優しい言葉 かけてもらった事あったかなー俺」あ!それ原西さんの事言ってる。


彼は 続けた。

「ただ 食え 食え と部下を良く食事に 連れて行ってくれます。そこが良いところなんだろうなー」


そうよ 私に原西さんあの時 私の気持ちを汲んでくれて、話きいてくれて 心温かい人だった。


「あ!事件 どうなりました。私 あの花柄ワンピースの女性が もしかしたら 森ちなつさん じゃないかと」宮本巡査長の緩んだ顔が みるみる引き締まった。


「今 捜査中です」それさっきも聞いた。

すずは「で?その先聞きたい」

私が テーブルに身を乗り出すと


宮本「これ以上は 危険です。すでに この件に 2人の死人が出てる。署でも慎重に捜査する予定だし 捜査本部も出来ている。明日東京から 応援が来る予定だから、もう君は この事件に興味を持つのは やめた方がいい!」


すずは「えー!ここまで 来てー知らん顔ーできるわけ無いじゃ無い」

ついつい 心の叫びが言葉に 出てしまった。


宮本巡査長は 君ねーと言う顔した。

「わかってますよ そりゃーね 私は 警察でもなんでも無い平民ですが 第一発見者で 一度は 疑われたはず 嫌一度じゃーないでしょ2度、3度と」 

確かに と うなずく宮本巡査長を見て


すずは「うなずいてるじゃん!ここまできたら自分で 晴らしたいよね それ!」


宮本巡査長が 困ってる顔をしてるのを見て


あれ いかん やっと我に帰った。普段大人しい私が興奮すると いつもこうなってしまうのだった 。宮本巡査長は 警察署に 泊まるらしく 私に満喫してください と言葉を残し 帰って行った 。


私は 数日後 家族に 「また帰る」と 言い東京へと 戻った 。


連休が明け仕事も再開 事件の事はが、気になり ニュースや新聞には よく目を通したが 、あの事件に関しては 載っていなかった 。


そんなある日 宮本巡査長から 電話があった 「身元が判明しましてね 。やはり森ちなつさんでした。あれから 白石さんには 特に お変わりは ありませんか?」また敬語に戻ってる とフと思った。


すずは「私は 特に 何も ありません ただー 」

宮本「ただー、なんですか?何か 特別な?」すずは「あの事件が どうなったかが 毎日知りたくて 知りたくて 仕方ないのが 困ってます」


宮本巡査長は、何だかホッとしたように

「白石さんの身に、何もなければ 安心です。」と 電話を切った 。


警視庁では、捜査会議が終わり しばらくすると 一件の垂れ込みの電話が あった。「2、2、7、4、5、8、1」 だけ言って電話は切れた。男の声?女の声?わからない声だった。

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