第19話 再び学園に向かいます。
「という訳で、ウィルとお付き合いすることになりました」
「お、お付き合いすることになりました…」
ベンチに座ってた時の事をアルトやオーラさんに話す。恥ずかしいけど、ちゃんと話しておこうと思ったんだ。そういうと、2人は
アルト「」
オーラさん「」
固まった。アルトに至っては今まで見たことない表情だ。どんな感情?
「「(はっや!!)」」
「(いや、早すぎだろ!シオンってこんなに積極的だったのか!?)」
「(昨日の今日だぞ…。確かに気持ちに気づいたなら早めに行動した方がいいって言ったけど、行動力あり過ぎだろ…)」
2人がこんな事を考えているのを後から聞いた。
「どうしたの2人とも?」
アルトは、ハッとした表情になった。それから咳払いしてから
「とりあえず、おめでとう。2人が付き合えるようになったことは、素直に喜ばしい。だが、まだ乗り越えるものも多い。浮かれるのは受験が終わってからにしろ」
「おめでとう。2人とも。何かお祝いしないとね」
「後はそうだな。結婚が決まったなら、連絡しろ。式の費用を出してやる。子どもが出来た時は、私達も面倒を見るよ。安心しろ」
「そうだね。学園には、結婚や妊娠、出産の際、サポートする制度もあるとはいえ、家族計画はしっかりしておいた方がいい」
「ありがとう2人とも」
「あ、ありがとうございます…。…シーくんと、結婚…子ども…ふへへ…」
2人からの祝福を受けて、嬉しくなった。良かった。2人に報告して。
「さて、そろそろ学園に向かうとするか。…ん?そうだ。忘れていたことがあった。『コレ』どうする?武器や防具にするか?それとも売り払うか?」
アルトが差し出してきたのはスカーレットドラゴンの核である。緋色の球体で人の顔より大きい。
「ん〜。それで相談したい事があるんだけど」
「何だ?」
「確かスカーレットドラゴンって火に強いよね?それでその核から作った装備は火に耐性が生まれるんだよね?」
ドラゴンは色によって耐性が異なる。魔法への耐性が高いのは共通しているが、スカーレットドラゴンは特に火に耐性がある龍種だ。耐性を超える程の火力でもない限り、火魔法でダメージを与えることは困難だ。…ウィルはその火魔法で倒していたそうだが。僕の恋人凄すぎてヤバい。(語彙力皆無)
「そうだな。防具にするのか?」
「火への耐性が上がる防具が欲しいんだけど、戦闘スタイル的にあまり重たいのは合わないかなって。一部でも効果ある?」
「なら、アクセサリーにすればいい。ブレスレットでもネックレスでも構わない。よほどの火でもない限り、効果は発揮するだろう。頑丈な素材だから簡単に壊れることも無いよ」
「じゃあブレスレットにしようかな。何処で作れるの?」
「学園がある街、ブランで作れる筈だ」
「そうなんだ。ちなみに2つ作れる?」
「素材としては足りる筈だが、そんなに必要か?」
「…ウィルとお揃いの奴が欲しいかなって」
「あぁなるほどな。さっきも言ったが、問題ないだろう」
「そっか。良かった。じゃあ早く行こう」
「そうだな。忘れ物はないか?出発したら戻れないぞ」
「大丈夫」
「だ、大丈夫です…」
「なら、行くぞ。問題がなければ後1日で学園に着く」
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