再婚で出来た義妹がウザい!



 高校2年生になった。

 特に1年間何があったわけでもなく、なんとなくをだらだらと過ごしていた。恋人が出来たわけでもないし、部活動に力を入れた青春ストーリもない。

 僕は普通の高校生。バイトをこなして友人と他愛ない話をして笑ってる普通の高校生。

 西園寺 あまね。

 文字起こししてみると女々しい名前に見えなくもない。そんなありふれた高校生だ。



 食卓を2人で囲む夕飯。我が家は父子家庭で父も夜遅くに帰ってくる。なのでここだけが父と話せる数少ない時間。


「すまん!父さん再婚することにした!!」


「......いや、うん。急だね」

 実感がない。その一言に尽きる。急に言われて困るというよりもまず信じ難い。

「父さんも色々考えた。でもやっぱり金銭的にお前に負担をかけたくなくてな」

「僕がバイトしてるのはいつも遊ぶ金欲しさって言ってるじゃん。気にしなくていいのに」

「そう言ってあまねが遊んでる所見た事ないんだよな」

「......まぁ」

 僕は給料もほとんど貯金に回している。将来の為に貯金しているのは事実だ。


「まぁいいんじゃない?僕に特に不自由があるわけじゃないし、反抗するほど子供じゃないよ」

 父さんも人間。離婚もあれば再婚もある。因みに僕の母さんについては数年前に離婚している。理由として痴情のもつれ100%

 まぁ色々あって離婚した。



「で、相手は誰なの?年齢は?」

「みそぎさん、39歳ちなみに父さんより給料がいい。最強」

 プライドがないんかアンタ。

「一応あっちも離婚して今年から高校一年生の子もいるんだがーー」

「あえっ、じゃあ妹できるの?」

「そういうことになる」

 義妹ができるのか。この歳で兄になるとは思わなかった。なんか気まずいなぁ。急に面倒になってきた。女性経験とか全くないからなぁ。俄然不安になってきた。

「よろしく頼むな」

「まぁ、うん」





ボロアパートの部屋のリビングに布団を敷いて2人で寝る。

「ねぇ父さん、にしても急すぎない?どれぐらいその人と交際したのさ」

「......そ、そうだなぁ」

「?」

 なんだか声が震えていた。

「え、何。言いづらいの?」

「いや、別にそんなんじゃないだけどな」

「......結婚詐欺とかに引っかからないでね」

「いや、違う。あり得ない!!みそぎがそんな事するわけないだろ?」

「うわー」

 キッツ。父さんの恋バナとか聞きたくなさすぎる。恋は盲目ってよく言ったもんだ。


「いやまぁ、営業先のお偉いさんでさ。個人的に飲みに誘って帰りにその......なぁ?ホテルでなぁ?」

「もう喋らないで。てか酔ってんの??ねぇ、なんで息子の目の前でそんな事言えるの??」

 気分悪くなってきた。にしても今日の父さん完全に酔ってるな。

「だぁああ!!?お前が言えっていったんだからな?そんなことよりお前も彼女の1人でも引っ掛けてこいやぁ!!」

「ッ〜〜!!」


 あまねに100のダメージ。


「まぁ、うん。この話はやめよう」

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