第42話 2回目の個人面談
今日はくーちゃんの担任と二者面談でした。
気になっていた″落ち着きがないこと″は相変わらず続いていたようで…。
『授業中ふらっと立ち上がってロッカーをチラチラ見ながら歩きます』
と言われた時には、想像して大爆笑してしまった…。
くーちゃん対策?として先生は
『あえて一番後ろの席にしています。前だと目立ちますが、後ろだと立ち上がってもみんな気付かないので』と工夫していることを教えてくださった。
『みんなにバレないように、くーちゃんにだけ目配せをして、座ってねと合図をしています。あとは頭がいいので授業が退屈で歩き出してしまうときには、廊下に自由帳を持って行って好きな算数の問題を3問だけ自分で作って解いたら戻ってきてねと言っています。クールダウンになるので』
とのことだった…
「あの、みんなの邪魔をしていませんか?フリースクールとか考えた方がいいのでしょうか…迷惑をかけているのでは?と思うと申し訳ないです」
と不安に思っていることを吐露したが
『全然迷惑かけてないです。逆に、そういう子もいるんだとみんながわかっていくことも大事なので。今は″こうでなくてはならない″ではなく、個性を大事にしていく時代ですし。いろんな子がいることをわかって生きていけたらいいと思うので』
と寛容な心で受け止めてくださっていて、思わず涙が出そうになった。
こんな自分らしさを受け入れてくださる先生がいるだなんて…。
くーちゃんは今の所、教室のうしろを誰にもバレずに徘徊することはあっても大きな声を出すこともなく、学芸会や運動会では、みんなと同じことをできているし気にしなくてもいいと言ってもらえた。
本当に、頭が上がらない。
心からの謝罪と感謝を伝えて、教室を出た。
廊下には、アサガオのツルで作ったクリスマスリースが飾られてあった。
全く同じものが一つもなく、それぞれ装飾にその子らしさが表現されていて、とても可愛かった。
くーちゃんのリースは、本当にくーちゃんが作ったのか?と疑うくらい出来栄えのいいもので、センスがよくて、泣くのを我慢できなかった。
見えないところで成長している。
みんなと同じが苦手でも、迷惑をかけないように頑張っている。
もっともっと、くーちゃんの心を大事にしよう。
先生、手がかかる子でごめんなさい。
くーちゃんの想いを大事にしてくれて、瞬時に臨機応変に対応してくれてありがとうございます。
毎日が楽しくなるように、私も一緒に成長していきます…。
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