転生を繰り返す彼ら

@fox1104

第1話 

「お疲れ様でした」

「ありがとうございました」

穂風16歳。高校1年生。

「バイバイ」

「じゃあね」

変わらず挨拶をし、玄関から外に出る。

「は?」

足を踏み出した先に見えたのは見慣れた場所だった。家の近くにある公園。が、どこか違和感を感じる。周りから人が生活している音が聞こえない。

「嬢ちゃんも"残された"の?」

後ろから話しかける声が聞こえる。驚いてまともに返答ができない。

「悪いな、こいつがいきなり話しかけて」

さらにその後ろから2人の青年が歩いてくる。

「いいえ。あの、"残された"って…」

「その前に自己紹介しよ。下の名前だけでもさ」

公園には自分含めて4人の人がいる。

「僕、日向!」

初めに名乗り出たのは短髪黒髪の青年。大学の玄関から出たらこの公園にいたらしい。

「如月…」

呆れた表情を浮かべながら灰色の髪の青年がぽつりと言う。会社から出たら公園にいたらしい。

「で、俺が伊織ね」

最後に長い黒髪を下に結んでいる青年。彼だけ、何故か公園にいる理由を話さなかった。

「穂風です…」 

一通り自己紹介を終えると、4人は何故自分たちが集まったのか考えることにした。

「各々居たとこから外に出たらここって普通に考えておかしいよね」

「だからって作り話みたいなことは無いだろうかし」

思いつく限りいろいろな説を立てたがしっくりくるものがない。

「どうすっかな」

「お困りのようだね」

頭上から声が聞こえる。見ると空中に緑髪の少年が浮いていた。

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