第2話
「生恋ちゃーん、恋が生まれるって書くのに
どうしていつまでもひとりっきりなんでしょうねーーーっ」
クラスのどうでもいいやつ、町嶋が声をかけてきた。
こいつはホントにどうでもいい。
ただめんどくさいだけ。
恋愛対象などではもちろんだんじてない。
「あのねえ―っ、町嶋くん。それはおたがいさまでしょう?
アンタだって名前が恋人(こいひと)なのに、恋人にはまったく
無縁そうじゃない。いったいどうなってんのよ?」
「おれか、おれはな、恋人をつくらない主義なんだ。
まあ、いいよる女は星の数ほどもいるんだけどな」
町嶋がおおみえをきった。
うそつけーっ。
オマエの顔はどこからどうみても売れない
三流お笑い芸人だ。
モテるはずがない。
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