第15話 1965年7月ごろ大学生活、真の始まり
1965年、響は應院義塾大学での新たな生活を迎えた。キャンパスは美しい緑に囲まれ、歴史ある建物が並んでいた。新入生オリエンテーションの日、響は同じ学部の学生たちと出会い、新たな友人を作ることができた。
この大学では医学部出身者でも1回生と2回生では他の学部と同様の教育を主に受け、3回生以降に医学的な教育を集中的に行われる
「響君、君も医学部なんだね。僕は山崎孝太。よろしく。」講堂で隣に座った山崎が声をかけてきた。
「よろしく、山崎君。僕は松殿響。これから一緒に頑張ろう。」響は笑顔で答えた。
### キャンパスライフ
キャンパス内では、様々な活動が行われていた。響は学業に励む一方で、サークル活動や研究に参加し、充実した大学生活を送っていた。彼の一日は、朝の講義から始まり、午後には図書館での自主勉強やサークル活動、そして夕方には研究室でのディスカッションと多忙を極めていた。
「今日はマクロ経済学の講義があったな。あの教授の話はいつも面白い。」響は友人たちとキャンパス内のカフェテリアで話をしていた。
「そうだね、彼の講義はいつも新しい発見があって楽しいよ。」山崎も同意した。
### 経済学の研究とサークル活動
特に経済学の研究に力を入れていた。目標は、未来の日本経済に貢献することであり、そのための基礎研究に没頭していた。研究室では、教授や先輩たちと共に最新の経済理論を学び、データ分析を行っていた。
「松殿君、この統計データを見てくれ。今の日本経済の動向を考えると、次の一手が重要だ。」教授が興奮気味に話しかけた。
「本当ですね、教授。このデータを基に新しいモデルを作成しましょう。」響は熱心に応じた。
また、響は大学のサークル活動にも積極的に参加していた。彼は経済研究サークルに所属し、週末には友人たちと共に経済学の討論会や講演会に参加していた。経済学の知識を深めることで、研究や学業の疲れを癒していた。
「やっぱり討論会は刺激的だな。ここに来ると、すべての知識がつながっていくよ。」響は講演会後のディスカッションで言った。
「そうだね、響君。ここでの時間が新しいアイデアを生み出すんだ。」山崎も同じく満足そうに答えた。
### 経済学部の講義
響は経済学部の講義を真剣に受け、教授の話に耳を傾けていた。特に国際経済学や金融工学の講義は彼にとって興味深かった。未来の経済動向を予測するための理論や手法を学び、それを自身の投資活動に応用しようと考えていた。
「今日の講義で学んだポートフォリオ理論を実際の投資に応用してみよう。」響はノートを見返しながら考えた。
ある日の国際経済学の講義では、教授が戦後の世界経済について話していた。
「戦後のブレトンウッズ体制は、為替相場の安定に大きな役割を果たしました。しかし、固定相場制の持続には限界があります。これからの時代は、柔軟な為替相場制度が求められるでしょう。」教授の言葉に、響は強い関心を持った。
「このテーマをもっと深く研究してみよう。未来の日本にとって重要なヒントが得られるはずだ。」響は心の中で決意した。
### 図書館での自主勉強
響は講義が終わると、図書館で自主勉強を続けた。彼は経済学の専門書や論文を読み漁り、新しい知識を吸収することに没頭していた。図書館の静寂の中、響は一心不乱に勉強を続けた。
「このデータは興味深いな。日本経済の成長にどのように影響を与えるのだろう?」響はメモを取りながら考えをまとめた。
ある日、図書館で山崎と再会した。
「響君、ここで何を読んでいるんだい?」山崎が尋ねた。
「国際経済学の論文だよ。教授が言っていたことをもっと深く理解したくてね。」響は答えた。
「君は本当に熱心だな。僕も一緒に勉強させてくれ。」山崎は椅子を引いて響の隣に座った。
### 経済研究サークル
響は経済研究サークルにも積極的に参加していた。このサークルは日本一の集団である帝国東京大学も在籍しており、サークルのメンバーと共に、日本経済や国際経済の課題について討論し、アイデアを出し合っていた。
「次のサークル活動では、日本の産業政策について議論しよう。」サークルリーダーが提案した。
「それは良いテーマだ。僕もいくつかのデータを持ってきたから、それを基に話し合おう。」響は資料を広げながら答えた。
討論会では、メンバー全員が活発に意見を述べた。
「日本の産業政策は、技術革新を促進することが重要だと思います。」一人のメンバーが発言した。
「その通りだ。特に電子工業や自動車産業の発展が鍵になる。」響は賛同した。
### 新たな挑戦と決意
響は大学生活の中で多くの経験を積み、友人たちとの交流を深めながら成長していった。彼の挑戦はまだ始まったばかりであり、さらなる成長と発展を目指して、未来に向かって歩み続けた。
「これからが本番だ。我々の研究が日本経済に貢献する日まで、一歩一歩確実に進んでいこう。」響は心の中で決意を新たにし、未来への希望を胸に抱いた。
### 新たな研究プロジェクト
響は教授から、新しい研究プロジェクトへの参加を打診された。
「松殿君、君の経済学に対する情熱と洞察力を見込んで、新しいプロジェクトリーダーとして参加してほしい。日本と世界の経済政策に関する研究だ。前にも話したがダイナミックフィナンシャルモデルの研究」教授は熱心に語った。
「ありがとうございます、教授。是非参加させてください。相談なのですが金融危機と経済恐慌の関連と預金保険システムの脆弱性についてもこのプロジェクトで議論させていただけないでしょうか」
このプロジェクトでは、響は他の学生や研究者と共に、日本経済の成長戦略を検討するためのデータ収集と分析を行った。彼の洞察力と分析力は、プロジェクトの成功に大いに貢献した。知らずのうちに未来の金融システム設計を取り入れた議論をすることでこれはのちに自身にとっても大きな業績になりスウェーデン銀行賞を獲得することとなり国王からも表彰されるなど飛躍の一歩となる
こうして、響は1966年という激動の時代において、投資と学業の両立を成功させていた。彼の挑戦はまだ始まったばかりであり、さらなる成長と発展を目指して、未来に向かって歩み続けた。
「これからが本番だ。我々の研究が日本経済に貢献する日まで、一歩一歩確実に進んでいこう。」響は心の中で決意を新たにし、未来への希望を胸に抱いた。
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