第21話『決勝に向けての作戦会議』
決勝の前日。
俺達は
みなの傷はなくなり、すっかり元気になった。
もちろん魔力も完全に回復である。
訓練所に入ってくる男子。次郎と強司が
「みんな、お待たせ!」
「待ってたぞ! リーダー!」
「待ってました!!」
「コホン、これから決勝に向けて作戦会議を行う!」
次郎が仕切るみたいだ。
「「「はい!」」」
「そして、おれと強司で話し合ったんだが、かなり良い作戦を思いついたんだ」
「「「おお~!!」」」
「早く、教えてくれよ!」
今野くんが言う。
「決勝は1-0-0で行く」
「「「……??」」」
みんな、クエスチョンマークである。
無理もない、1-0-0なんて、聞いた事がないフォーメンションだからだ。
「あの~、1-0-0って、どういうことだ?」
「1は八雲空音だけで、戦う。残りの7人はベンチで応援だ」
「「「賛成!!」」」
今野くん、長田くん、花輪囲さんが手を
「ええええええええええええええええ――――ッ!!」
俺は思わず叫んだ!
「応援するからな! 空音!」
今野が笑顔で俺の
「ファイト、空音!!」
長田も俺の肩を叩く。
「うんうん」
花輪囲さんも笑顔で俺の背中を撫でる。
「いやッ! おかぁああしぃいだろおおおおおおーーーーーーーーーーッ!!!」
俺は思わず叫ぶ!
「ハハハ、空音くん、
次郎は笑う。
「何だよ、冗談か……」
内心ヒヤッとしたぞ。冗談でよかった。
「0-0-1で行く。もちろん、その1というのは、八雲空音だ。みな、どうだ?」
「「「賛成!」」」
「うぉおおおおいいいいいッ!! どういう事だ!! 0-0-1ってなんだよ! 何でその1が俺なんだよ!! ただ、ポジションが違うだけじゃねぇか!!」
「そりゃあ、お前。怖い夢、視たくないじゃん!」
「「「うん!! うん!!」」」
「何だよそれ!! 意味わかんねぇよッ!!」
「空音くん、次の相手がお姉様のチームだって知ってるわよね?」
花輪囲さんが発言する。
「知ってるけど。確か相手を眠らせ、悪夢を見せるんだっけ?」
「そうお姉様は、どんな相手も眠らせ、良い夢を見せたり、悪い夢を見せたりできる」
「自由自在に夢を見せる事ができるんだよね?」
「そう。だから、悪い夢をみせ、相手に苦痛を与える事もできるわ」
夢の中で拷問。そういった事も可能という事だろうか?
「それは、怖ろしいな……」
「でしょ?」
「てか、何で俺はその1なんだ? おかしいだろ? 次郎や強司ならともかく、なぜ、俺なんだ?」
「そりゃあ、お前。お前がやっと本気になり出しからだろ」
「そうだよ、空音で使ってきた魔術って、A級冒険者とかが使う魔術ばかりダークプリズンとかダークドレインとかね。最後の魔術、アレ何かな? トラッキングホーリーライトバレット。あれって、S級冒険者が使う魔術じゃないかな?」
「そ、それは……」
そっかぁ! トラッキングホーリーライトバレットはS級魔術なのか!
「「「じ~」」」
みんな俺を見る。
「えーっと、それは……」
俺はどんどん小さくなる。うう、見ないでくれ~。
「空音。頼む、もうちょっと本気を出してくれないか?」
「僕からも頼む。100分の1でいいから力を出してくれないかな?」
次郎と強司が手を合わせ、お願いされた。
「そうは言っても!」
「「「じ~」」」
みんな、俺を見る。
「わかった。100分の1でいいなら」
「「「よっしゃ~!!」」」
今野くん、長田くん、花輪囲さんが、ガッツポーズする。
「よしよし!!」
「うんうん!!」
次郎と強司は笑顔で頷き、納得したみたいだ。
俺は、納得してないけどな!!
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