第6話『魔術の授業』


 そして、いつもの魔術の授業である。


 担任である笹村愛ささむら あい先生が授業科目、基礎魔術を教えている。

 赤縁眼鏡とハートのイヤリングがトレードマークで。みんなから、愛ちゃん先生と呼ばれている。


「花輪囲優美さん。基本6属性について説明してください」

「はい」


 花輪囲さんは立ち上がる。


 彼女の名前は花輪囲優美かわい ゆみ

 学校の美女トップ5に入る、美人さんである。

 桜色の長い髪、雪のように白い肌と青い瞳。

 スタイルもよく、お胸も大きい。

 純日本人なのに、なぜ、髪の色が桜色でなおかつ、青い瞳なのかは、うちの学校の謎の一つだ。まあ、魔術で髪の色や瞳の色を変える事は、今時、珍しくもないけどね。


「この世には火、水、土、風、光、闇の6属性があります。水は火に強く、火は風に強い。土は水に強く、風は土に強いです。光は闇に強いですが弱点でもあります。闇も光に対して強いですが同時に弱点でもあります」


 透き通った美しい声で答える。


「素晴らしい! とてもわかりやすい説明でしたね」


 先生は拍手はくしゅし、笑顔でめる。


 学校の美女である、彼女は軽く会釈えしゃくした後、席に座る。

 美人だよなぁ。

 きっと、彼氏とかいるんだろうな。


「では、龍千地次郎じゅうぜんじ じろうさん。基本6属性、以外にどんな属性がありますか?」

「え? おれですか?」

「そうですよ」

 

 次郎は、堂々どうどうと椅子から立ち上がる。


「無属性、時属性、雷属性などです!」

「そうですね。当たってますよ」


 先生は、うんうんと頷き、拍手する。

 次郎は満足まんぞくげに席に座る。


「他にも呪属性や、聖属性、天属性、地獄属性など、たくさんの種類があります。基本6属性は基本中の基本なので、テストにも出題しますよ。ちゃんと覚えて置いてくださいね」


 属性ってたくさんあるんだな。


 ま、これがうちの学校の授業である。

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