第15話 ページ29.30 出品から落札へ

に間違いがないかをチェックする。お誕生日のお客様の名前やロウソクの数を間違うのはお客様に取ってあってはならない事なので入念にチェックする。

「フルーツタルトは出来てるよね?お客様がお待ちです」

「タルト台は焼き上がったけど、冷却時間が要るのでもう少し時間がかかると伝えて下さい」

 パートの海老名さんは午後からの出勤なので、朝は健三、則子の二人で忙しく過ぎた。

午後から海老名さんが来られて、うららは落ち着きを取り戻した。二人で二階に上がり、遅い目の昼食を食べるのもいつもの流れ。忙しくなった時は海老名さんが呼んでくれるので昼食を食べて健三は自分の部屋で美里が出品しているサイトをパソコンで開いた。星の数ほどある出品物から美里の商品を狙って買うには森山が自分で登録をして、美里の出品を知らせてくれるようにしているのだと分かった。健三も以前に、うららのスイーツをネット販売出来ないかと試したが、出品、梱包、発送等が面倒なのと、自分が手塩にかけて作った商品を顔も見えない人に販売するのが嫌で結局はネット販売を止めた。

 二日後に誠からラインが届いた。

【権田さん、こんにちは。文房具のセットが売れました。予想通り買ってくれたのは森山さんです。受け渡しは明後日の日曜日の午後三時、場所はいつもと同じ駅前のスーパータカヤです。今回は僕も美里と一緒に行く予定です】

【こんにちは。受け渡しは私も行かせてもらいます詳細は当日にお話しします】

 日曜日の二時から支度をすれば間に合う時間帯なので健三は安心した。日曜日は稼ぎ時なので忙しい時間に抜けるのは気が引ける。則子にも小言を沢山言われるので二時まではしっかり仕事をして店を抜ける事に決めた。

 週末の土曜日から発売を始めた紀州梅ロー

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