第9話有給

次の日

---お父さんの挨拶終わったよ〜。


佐野が出社するなり皆田が駆け込んだ。


---で、どうだった?


佐野の質問に皆田は身体でまるを作った。

パチパチパチ佐野が拍手をした。


---とりあえず、雑誌買ったんだけど式場って意外と多いのな。そこで佐野君にオススメの式場教えてくれないかな?


---可愛く頼んでも変わらないよ。ってゆうか、式挙げんだ。新婚旅行と兼ねてならハワイでも良いかなって。でも、金かかるし。ちなみにオレはデザインと味で決めたかな。とりあえず、雑誌を見て2〜3個に絞ってあとは足で確かめるしかない!

それを聞いて絞ったが、どうにもあと一つ消せなかった。予約をとったが、土日しか2人な休みは合わず、土日は掻き入れ時で全部見て回るのに、1年以上かかった。そして、有給を取った。頼子も同じ日に有給を取った。や有給を取るには、課長の許可が必要である。


---有給申請?なんだ堀田珍しいな。皆田とデートか?


何故課長が知ってるのかというと、部長の部屋に呼ばれるときは全社員に通達されるのだ。つまり、皆田と頼子が呼ばれたということは、付き合っているのは周知の事実なのだ。


---課長それセクハラ


聞こえていた他の女子社員が言った。


---そうかセクハラか、すまん堀田くん。

---大丈夫です。

---とりあえず、有給は承認!この日は大切に使ってくれ、たとえデートでも

---課長それセクハラ


有給を久しぶりに取った皆田は平日でみんな働いてる中、休みなのに優越感を感じていた。

2人で式場をみた。どれもステキだった。一件見ると結婚式を再現するので、数時間拘束される。当たり前だ。結婚式には多額の費用がかかる。その分式場は、頂いてる。式場のスタッフは落とすのに必死だ。

皆田はどれもステキだった為、迷った。頼子はインターネットで口コミを見たが星の数も評価も差がない。そこで頼子は考えた。ウェディングドレスを見て決めようと。


皆田と頼子は決めた。2人の意見が一致した。後日電話でお願いすることを伝えた。そして、再び訪れ面談した。

式の日程も決まり、会場側から宿題を頂いた。かける音楽と席だ。その前に呼びたい人も決めなきゃ!それ以外にもたくさん決める事があり、2人でてんやわんやした。音楽は決めたが、招待客まで決められなかった。


翌日

佐野が出社すると、皆田が出迎えた。


---佐野くんおはよう。待ってたよ。


佐野は嫌な予感を感じた。皆田が出迎える時は必ず何か聞きにくると。


---佐野くん、出席者ってどうやって決めた?


それきた、思った通りだ。しかし、難しい質問だ。


---なんでオレばっかり聞くんだよ!他の人に聞けば良いじゃん。

---いや、佐野くんは同期会唯一の既婚者だし、同じ課だし、社会人になって初めてのお友達と思ってるから。


佐野は嬉しかった。学生時代にも友達なんて言われたことがない。確かに普段から話してはいるが、友達とは思わず、同僚としか思わなかった。ヘタに友達と言って引かれるのが嫌で怖かった。


---まずは親戚だろ。あと、お世話になった人。まあ、職場の上司がベターかな。あとは友人。と、オレでしょ。呼ぶ人数にもよると思うけど、だいたいこんなもんだな。

---ちょっ、ちょっと待てなんでお前がいるんだ。

---いや、御世話した人部門で

---そこかよ!せめて友人部門だろ!よっちゃんも居るし。


皆田は照れながら言った。


---とりあえず、了解です。ありがとう。

---部長も呼ぶの?

---呼ぶわけないだろ。怒られただけだし。

---良かった。折角の休日なのに、職場のお偉いさんにあっちゃ羽伸ばせないし。

---課長は呼ぶけど。

---なんですとおぉぉ?


佐野は朝から驚いた。部長にばっか目が行ってた。そういえば、影と頭が薄いけど、課長もいたんだった。 

皆田は早速、頼子にLINEした。


そして、式当日。式が終わったら出そうと思ってた。婚姻届を持ち、出かけた。

これからも2人は、苦難が待ち受けてるだろう。しかしながら、誰かに聞いたり自分で調べて解決するだろう。2人とも考えは正反対だが、2人揃えば力が10倍20倍になる。そうやって、2人で大きな道を歩んで欲しい。

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頼る男と頼らない女 陶来鍬紘 @sakura0427

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