第16話 ショウユウ

ツルガネモの前にいるマグローは、一瞬で眠ってしまった。



↓ツルガネモ

「(さぁて勉強に戻ろうか。この魚は放置して食べようとした時に食べよう)」



ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ



ストッ



「ん?」


ツルガネモは音がした方を見てみる。

なんと そこにはナトがいるではないか。


「…機械科か。何の用?」

↑ツルガネモ


↓ナト

「ハァハァハァ、やっと着いたと思ったら、マグローが寝ている…お前の仕業か!

人や動物を眠らせて何をする つもりだ」


「何って、後で食べるんだよ。僕は勉強で忙しいからね。戦闘や狩をしている暇なんて無い。

そうだ、君も眠らせてあげても良いんだよ?」


「くっ」


ズキューーーーーーーーン



ナトは納豆をツルガネモに向けて撃った。

ツルガネモは蔓を前に構える。


ズトズドズドズドズドッ



なんと蔓に当たった納豆が、全て跳ね返されているではないか。

しかもツルガネモ自身は一切動いていない。


「(攻撃が反射した⁉︎)」


ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド


ズバァァァァァァァァァァァァン



ナトの方へ納豆の弾幕が跳ね返ってきたため、彼は焦りながらもマグローを抱えて後ろへ避けた。


↓ナト

「(この蔓は鏡面みたいだ。攻撃が反射される)」


「僕の時間を奪うとは、なんて無教養な生物なんだ。そんな暇あるなら人々に感謝されるような事しろ?危機感持った方が良いよ」

↑ツルガネモ


「(あの蔓に攻撃を当てたら、自分や周りにも被害が出る。でも心臓を破壊しないとダメなのに!)」


「少しは頭使えば わかるよね?仕事中に邪魔されたら誰だって腹を立てるだろう?これも同じ事。それとも君はぁ、脳が足りないのかい?どっちなんだい?」


「仕事中に…邪魔?何を言っているんだ!」

「ハァ?」



「人々は お前に勝手に眠らせられ、勝手に連れてこられ、何日も放置されているのだぞ!

その間、お前は眠らされた被害者の生活を邪魔しているようなものだ…自分の勉強が邪魔されたくないからと言って、人の生活を勝手に邪魔・破壊…お前の言葉は全て お前に刺さっているぞ!!」


「言いたい事言ってくれたな無教養の虫、久しぶりに息抜きでもするか…」



ツルガネモが巨大な蔓を伸ばす!ナトはマグローを抱えながら彼の元へ走っていった。


「あろう事か お前と共生している生物兵器たちの時間も奪って…命も奪って!」


「黙れ!!」



伸びた蔓の上に乗って、ナトは心臓があるであろうツルガネモの頭に納豆を発射する!


しかし蔓によって跳ね返させられてしまった!

そしてツルガネモはビームを発射する!


ズババババババババババババババババババババハバババババババババババババババババババババババ



「(⁉︎…この位置じゃ!)」


ナトは彼を殴ろうと蔓から蔓へと飛び移っている途中だった。

空中で このビーム攻撃は避けられない!


「(まずい…負ける)」



スタスタスタスタスタスタスタスタスタスタ



ズバァァァァァァァァァァァァン












ナトは誰かに抱えられていた。


「⁉︎…あれビームh…って誰⁉︎」

↑ナト


↓誰か

「お前は ここで休んでいろ。俺が片付ける」


黒い謎の人物は、ツルガネモの目を睨む。

姿形はナトと全く同じだ。色だけが違う。


「おや、君は…ショウユウじゃないか」

↑ツルガネモ


↓ショウユウ

「悪いが、俺は会話している暇なんて無い」


ショウユウと呼ばれた黒い人物の手から、黒っぽい液体が蛇のように伸びていった。


「(液体の触手⁉︎…この匂いは醤油か?)」

↑ナト


ツルガネモが蔓を使って液体を撃墜しようとしたが、液体はまさに蛇のように攻撃の合間を縫う!


そしてツルガネモの心臓を、鋭く尖った液体が破壊した!!



ブシャァァァァァァァ



「はっや」


ナトは思わず声が出てしまった。ショウユウがナトに話しかける。


ツルガネモの体は消滅し、彼によって眠らされた人々やマグローは目を覚ました。


↓ショウユウ

「なぜ こんな城に…早く帰れ」


ナトは答える。


「俺たちは、その、生物兵器を駆除するために…」


「何⁈…今なんて言った?」



「え、いや、その、あの、クッキーと煎餅って美味しいですよねって言いました!!」


「怒ってないから正直に言え。時間が無いんだ早く!」


「生物兵器を駆除するべく、俺たちは活動をしているんです。相棒のマグローと共に」


「そうか、俺も生物兵器を駆除している者だ。ショウユウという名前だ、覚えてほしい」

「あ、はい」



ショウユウは鋭い眼差しで、ナトとマグローを睨んだ。


そして何かに納得し、咳をしてから彼らに言う。


「駆除に協力してほしい生物兵器が周辺にいるんだ。一緒に手を組んでくれないか?」


「え…なんで俺なんかと」




「人間も同じように誰かと協力して壁を乗り越えるものだ。頼む…別に拒否権はある」


「………」

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