「夏月こっち〜」

 翌日、仕事終わりの2人が私を迎えに来てくれた。ひらひら手を振っているしょー君の横から、

「なっちゃん〜〜」

ふーがさんが飛びついてきた…

「んなぁっ?!苦しいふーがさん!昨日はすみませんでした…」

「いいよいいよっ。今なっちゃんの生存確認中…よし終了」

 笑顔で頭を撫でまわされる。…私犬かなんかだと思ってる?

「夏月荷物ちょーだい」

「あ、ありがと!」

 今日はこのまま帰るつもりなので、キャリーケースをしょー君に渡した。

「東京は電車移動は危険すぎるから、今日は車でごめんねっ」

「全然!その方が私としても安心です」

 今日はしょー君の運転で移動してくれるらしい。

「運転お願いしますっ」

「あいよ〜」

 後ろの席で隣に座ったふーがさんに、

「本当にいい子だね」

 なんて言われたけど、今の一連の流れでどこでそう感じたのかは分からないけれど、何故か笑顔で褒めまわされた。

「あ、そういやね、昨日面接で内定貰ったよ?来年から東京来ることになった」




「夏月早く言えよ⁉」

「何で早く言わないの?」



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る