第29話 衣替えをしてから…
薫ちゃんが家を訪れてから2日後、ルカの体調は完全に回復した。
前回の雨と違って今日は晴天だった。
季節はすっかり衣替えの
「あ~あ、せっかく涼くんとまた相合傘したかったのにな~」
「この前、熱だして懲りねえのか…。まったく、頭ん中お花畑が…。」
いつものように寺島、兵藤と遭遇した後、俺とルカは別々の教室へと向かって行った。
◇
教室に入って少し経ってから始業のチャイムが鳴り響き、担任の先生が挨拶と出席を開始した。
「おはようみんな。今日も元気に過ごしているか!」
この人は俺のクラスの担任の
年齢は"29歳"で、
こんな見た目だが、悪い人ではない。
ちょっと暑苦しい一面もあるが基本的には優しい人だ。
「さてと、あと一ヶ月半もすれば夏休みだが、それまではしっかりと勉強はするぞ!」
(そうか、夏休みか…)
俺はふと考えた。
夏休みどうするか?
いつもは親戚の家とかに厄介になっているが、俺も高校生だし、ルカもいるし…。
まだ早えか…。
◇
キーンコーンカーンコーン!
いつものように、あっという間に昼休みの時間が来た。
今日は晴れてるからいつもの場所で昼飯を食うことにした。
俺は弁当を持って教室を出ようとしたその時だった。
「天道くん」
(ん!)
この声は!?
「八雲さん!」
なんと、クラスのマドンナで俺の好きな
俺に何の用だ?
「今日はお昼?一緒にいい?」
「ええ!?」
昼食を共にしたいと言うお誘い!?
せっかくだし・・・
「い、いいよ!?」
まさかの八雲さんも一緒!?
◇
そんな訳で、中庭にていつメン+八雲さんと共に昼飯を取る事になった。
話を聞くと、どうやら八雲さんはルカが学校を休んでいた事が気になっていたらしく、その真意を聞きたくて俺に話し掛けたらしい・・・。
(ルカ目当てかよ・・・)
「でも良かった、ルカちゃん熱治って・・・」
「そうですか・・・」
完全に敵意を向けてる目になっている・・・。
とはいえ、こうしてみんなで喋りながら食事も改めてみると楽しいな・・・。
「ところで天道くん、もうすぐ三者面談だけど、大丈夫なの?天道くんの方は?」
「え?」
忘れてた!
そういや、そろそろそんな時期だったっけ?
「あ、そうだ!私も涼くんのお母さんに来てもらえ・・・」
「ーーーおいルカ!?」
「え?どういう事?」
やばい!?
今の発言は、同居がバレるかもしれねえ!?
って思っている内に周りの視線が俺らに向いている!?
「なあ、涼太・・・ちょっと前から気になってたんだけど・・・お前ルカちゃんと暮らしてるのか?」
「え・・・いや・・・」
もう隠しきれねえ・・・か・・・。
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